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すれ違い
ゴーイングメリー号はグランドラインに入るために海路を進んでいる。
多かった襲撃も鳴りを潜め、海軍にも会わず、平和である。
未だに夜眠ることの出来ないゾロが寝ず番をしているサンジの元へと行ったり、二人とも寝ず番ではない日はくっついて寝たりということが日常となり、嫉妬で怒ったルフィがサンジを追い回し、しつこくやりすぎて「昼間抜きにするぞ」と怒鳴られたり、、、。
サンジで寝れるなら俺だって、とゾロに抱きつき、その夜はゾロが一睡もできずにルフィが落ち込みサンジが喜んだりとは色々あったりもしたがまぁ大方平和で、、、つまりは皆暇だった。

そしてその日は前の日がゾロの寝ず番だったということもあり、ゾロはいつもの鍛練を終えると汗も拭かずに甲板の上で眠ってしまった。



そして…



「ウソップ、早く来てくれ!!」

「ど、どうしたんだサンジ?お前がそんな焦るようなことがあんのか?」

「あぁ!!お前にしか頼めないことだ!!」

「お、おう!」

「早くしねぇと乾いちまう!」

「…乾??」

突然ウソップ工房に乗り込んで来たサンジの狼狽ぶりに目を白黒しながらウソップはしかし“お前にしか頼めないこと”に少し責任感を感じながら付いていく。

たどり着いたのは甲板の上…
目の前には汗で濡れたまま上半身裸で寝るゾロの体…

ウソップは付いてきたことを早くも後悔した。

「ゾロの汗が乾く前に早く、早く写真を取ってくれ!!」

…サンジの“俺にしか頼めないこと”を聞いてもっと後悔した。
つーか正直引いた。

しかし…

「ウソップくん?…撮ってくれるよな??」

あのサンジの足が…肩に乗せられた状態で…NOと言えるだろうか?
…俺には言えない。
ゾロ、悪いな…。
でも俺はまだ死にたくねぇ。

心の中で謝り、カメラを取り出す。

パシャ、パシャ、パシャ…

「こ、これでいいかよ?」

アングルを変えて何枚か取り、サンジに見せる。
じーーーっと見て…満足気に頷いたのを見て安心する。
じゃあ現像を…と逃げようとするとがしりと肩を捕掴まれた。

「…な、なんだい?サンジ君??」

恐る恐る尋ねると…

「今から毛布をかけるからそっちも何枚か撮ってくれ」

「…………おう」

あの、石をも砕くような蹴りを繰り出すサンジの足が…肩に乗せられた状態で…NOと言うことが…(ry

てか毛布をかけてなんか変わんのかよ、と思いつつ気配を敢えて消さずにゾロに近付くサンジを見る。

ぱさり、と毛布がかけられ…

「…!!??Σ(゜Д゜)」

ウソップは赤面した。

ゾロが、あのゾロが、、、
毛布をかけられた瞬間ふわりと頬を緩ませ、毛布に頬擦りをしたのだ…。

「おい長っ鼻…早く撮れ」

サンジが長っ鼻と呼ぶ時は機嫌がよろしくない時だ。
なんて理不尽な、と思いながらもシャッターを切る。

パシャ、パシャ、パシャ、パシャ…

再び画面をサンジへと向け…

「よし、現像頼む」

…ようやく解放された。

憐れなウソップはすぐに部屋に戻り、現像作業を行った。



…夜…。


現像した写真を手にラウンジに入ったウソップは驚愕した。
目の前に並ぶのはホカホカと湯気をたてるキノコスープにキノコたっぷりのグラタン…さらにそれでは足りないルフィの為にキノコの炊き込みご飯…。

「俺…感謝こそされても…嫌がらせをされるようなことしたか…??」

呆然とするウソップにサンジは一言。

「可愛いゾロを見たんだ。これくらい当然だろ?」

「理不尽だーーーーーー!!!!」

…メリー号にウソップの悲壮な叫びが響き渡った…。



ーーー

オマケ


その後、ウソップはゾロにサンジの仕打ちを告げ口してやろうと隙を見てゾロに近付いた結果…

「「俺のゾロに触るんじゃねぇーー!!!」」

ルフィに殴られ、サンジに蹴られ…その日一日の記憶が飛んでしまった所為で叶わなかった。

どこまでも憐れなウソップである…。




ーーーーー

…はい、“日常”(笑)でした!!
これ上げるか迷ったんです(´・ω・`)
上げちゃうと今後の馴れ初めシリーズでちょこっとだけ矛盾ができちゃうんです…。……が、まぁいいかなぁって(笑)
書いてあげないのも勿体無いので上げました!!(>_<)
矛盾のページを上げるときにまた言い訳します(^o^;)







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あきゅろす。
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