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君に何があっても・・・ 1 〜碓氷SIDE〜

今日は生徒会の仕事も無くテスト週間だったため、いつもより早めに下校していた。

「おい碓氷!お前昼間からまとわりつくな!」      
『ふーん。じゃあ昼間じゃなかったらいつでもいいの?』

「そーいう問題じゃないっ!!だいたい部活も無いからみんな下校時刻が一緒だろっ!?だから・・・はーなーれーろー」

『しょうがないな。もー美咲ちゃんてば我侭なんだから〜v』

そうして私は碓氷と別れた。

癪だがアイツもここなら家も近いし大丈夫だろうと思ったんだろう。

・・・だが、次の瞬間
キキィィィーーーーーーッ

「え?」

気づくと目の前にトラックがいた・・・

いきなりのことだった為足がすくんで動けなかった。

そのまま私は意識を失った・・・・・・・。                           











『――・・・ゆ沢!』

『鮎沢ッ!!!』

・・・なんか聞いたことのある声・・・だけど

「あなた・・・誰?」

部屋の空気が凍りついたように静かになった。

『・・・鮎沢、俺のこと誰だか分からないの?』

「あゆ・・・ざわ?私はあなたのこと知らないわ。人違いじゃない?」  




――――――――――――――――――――――――
チュン チュン チュン・・・

『朝か・・・』


昨日の事故は運転手が直前にブレーキをかけた為、美咲に外傷的な傷は無かった。

昨日のことを何もかも夢かと思いたいが、登校時いつもとの違いが明らかになる
        ・ ・ ・ ・ 
「おはよう!碓氷くん」

『え?』

「ぁ・・・違った?私、昨日机にあった名簿一応目を通して来たんだけど・・・」

鮎沢が今日学校に来てることは医師から聞いて知っていたのだが“いつも通り接してほしい”と言われても無理がある
            ・ ・ ・ ・
『いや、合ってるよ鮎沢さん。何なら学校まで一緒に行こうか?』

「まぁ、じゃあお願いするわ」

『了解しました。お嬢様v』

・・・やっぱりいつも通り接するには無理がある。

さっきだって“まぁ”とか“〜わ”を普段鮎沢が言うはずも無い。

まして普段の鮎沢があんなにも素直に俺の言葉を受け入れるのは珍しい。

それよりも心配なのは学校に着いてから・・・

「みーさきちゃーんvv」

思ったそばから・・・

「えっと・・・深谷くん?」

「///ッくんって・・・みさきちゃんどうかしたん?」

『記憶喪失・・・。』

思わず口に出てしまった・・・。

「なんで拓海がいるんだっちゃ!!・・・じゃなくて。えっ?みさきちゃん記憶喪失なん?オレのことおぼえてないん?」

「うん・・・。ごめんね・・・。」

鮎沢は申し訳なさそうに視線を下に逸らした。
 
――・・・暫く沈黙が続いていたがその沈黙を自ら破った。
    ・ ・
『ほら美咲、早く行かないとおくれちゃうよ』

俺は美咲の手を引いて校舎へと導いた。
アイツは悔しそうにこっちを見ながら「拓海がしくんだんかー!!!」とか叫んでたけどそんな訳が無い。むしろいつもの鮎沢に早く戻ってほしいくらいだ。

「・・・碓氷くん。碓氷くんて私のこと名前で呼んでたの?」

『うん、まぁ俺と美咲は付き合ってるからねv』

「へーそうだったんだ///じゃ・・・私も拓海ってよんでたの!?」

頬が緩むのが手に取るように分かった。

・・・まぁこのくらい良いだろう。

『うん、そうだよ美咲も俺のこと名前で呼んでたでしょ?もしかしてそれも覚えてない!?俺悲しい・・・。』

ワザと仔犬のような目で美咲をうるうると見つめると美咲の顔は火がついたように真っ赤になった。

こういうところは、いつもの鮎沢だ。

『じゃあ気をつけてねv美咲は1組だから。』

「う・・・///うん。心配しないで私は大丈夫だから・・・た
・・・拓海///」

そしてそれぞれのクラスに入った。


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