ぱんどら学園
美味しいものは、お裾分け(V+O×B)
ぱんどら学園昼休み。
生徒や教師がお昼ご飯を食べる、
(多分)お楽しみ時間。
そして此処にも、
お昼時間を密かに楽しみにしている
2人の生徒が居た。
(美味しいものは、お裾分け)
生徒の居ない、静まり返った保健室。
保険医のブレイクは大して仕事をしたわけでもないのに、うーんと背伸びをする。
「…さーて、
そろそろお昼にしますカ―…」
「――せーんせっ」
保健室を出ようと扉に手を掛けると、扉が軽く勝手に開かれる。
扉の奥に見えたのは、愛らしい笑顔を浮かべた2学年生徒、オズ=ベザリウスが立っていた。
「おや、オズ君じゃないですカ。
どうしました?」
「ブレイク先生って、今からお昼?」
「そうですケド……、何か?」
「うん、あのね先生っ………」
言い掛けるとオズは、後ろ手に持っていた物をすっとブレイクの目の前に出す。
出されたものは緑色の巾着に包まれた、恐らくお弁当であろう小さな箱だった。
「俺、先生にお弁当作って来たんだ。
良かったら、一緒に食べない?」
「私にお弁当、ですカ?
……別に、よろしいですケド」
「ホントにっ?わぁーい!!」
「…ガキですねぇ………」
あっさり許可されたことに、オズはきらきらと目を輝かせながら喜んでいる。
「じゃ、屋上で待ってるね先生っ」
「はいはーい」
まだ喜びを表情に残したままオズはお弁当を持って、ぱたぱたと可愛らしい足音を立てながら小走りに駆けていった。
「さてとっ…、
売店で飲み物でも買って行きますか…」
ブレイクは売店で苺ミルクを買うと、大して急ぐ事もなくゆっくり屋上へと向かった。
――錆びていて少し硬めの扉を耳障りな金属音を立てて開けば、広く風通しの良い屋上へと出た。
騒動防止用フェンスに凭れ、苺ミルクを飲みながら約束の通りに相手を待っていると、音を立てながら扉が開かれる。
だが、入ってきたのは約束していた相手では無く、
「やぁ…こんにちは先生。
一人なのかな……?」
訝し気な笑みを浮かべたオズと同じ2学年生徒、ヴィンセント=ナイトレイだった。
「…一人ですが、何か」
相手の笑みを鬱陶しいと思いながら答えると、ブレイクに向かいゆっくりと歩み寄ってきた。
「そんなに睨まないで…?
唯、一緒にお昼食べようと思って…」
「残念ながら先約が居るので、
他を当たって下さい」
「へぇ…?誰…?」
問いながらキスをするかしないか位の近さまで素早く顔を近づけると、そっと顎に手を添え顔を上げる。
「ッ…誰でも良いでしょう…っ…」
「言わないと苛めちゃうよ?」
相手の様子を見てクスリと笑うと、白衣の間から見える白いシャツの中に躊躇無く手を滑り込ませた。
「ちょっ…何考えてるんですカ!!」
「こんな事考えてるけど?」
「考えてるけど?じゃ、無いです!!
止めなさいってば…っ…」
ヴィンスが体重をかけている所為でフェンスに押し付けられているブレイクは、何とか相手から逃れようと必死に抵抗する。
と、その時、
ふと、錆びた屋上の扉が開かれる音。その扉の奥に立っていたのは、二人分の弁当を持っている約束していた相手、オズだった。
「…あれ……先生、と…ヴィンス?」
「あ、オズ君もお昼……?」
立ち尽くすオズに振り向き、ブレイクの服に手を入れたまま笑顔を送るヴィンス。
ブレイクはかなり避けたかったこの状況を前に、焦り始める。
「ちょ…オズ君っ…
この変態を何とかしてくださ――…」
抵抗しながら、此方を見ているオズに助けを求める。
だが、オズはクスクスと笑い始めると、
「なぁんだヴィンス。
こんな楽しいことしてたんなら、
ちゃんと俺も呼んでよー」
「…お…オズ、君……?」
ニコリと笑うオズの言葉に、ブレイクは首を傾げ疑問符を浮かべる。
すぅっと冷や汗が頬を伝った。
「ごめんね…?
襲うつもりは無かったんだけど、
見てたらつい…さ?」
「じゃ、俺も参加していーい?」
愛らしい笑みを浮かべているが、言っている事は純粋の一欠片も無い。
「うん、勿論」
「ちょっと何言ってるんです?
私にだって拒否権はありますが」
「拒否権…?
抵抗するの位は構わないけど?」
止めるブレイクに向かいニコリと笑みを浮かべると、一言。
「その方が可愛いから」
「な………っ」
驚愕するブレイクを満足気に見つめると、ヴィンスはオズと共に行為を再開し始めた。
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白くて甘美な
お裾分け。
+ー+ー+ー+ー+ー+ー+ー+
あとがき
お昼はブレイクたんです、みたいな事←
オズとヴィンスは密かに手を組んでるんです。
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