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ぱんどらのーまる
届け、この声よ(OA)






















あぁ












何なんだろう













うるさいんだ












風の音が












雨の音が












この 耳鳴りが



















なぁ










だれか教えてよ












どうすれば消える?













どうすれば

























俺は強くなれる?



















わかんないよ













「…………ズ」













教えてよ













「……ズ……オズ」














分からないならいっそのこと











「……オ…ズ…」





















――壊してしまおうか









「――オズ!!!」



















(届け、この声よ)




















今日の午後に俺は、
アリスと一緒にレベイユの街をまわっていた。






たまには気晴らしにと思い、
アリスを外に連れ出したのだ。



















すると、アリスのビーラビットの力を感じた
チェインが急に現れ、襲ってきた。













チェインとその所持者は勿論、
違法契約者。








刻印はもう半分以上回っていて、
所持チェインの受けたダメージを
共有してしまう状態になっていた。














ギルが居ないと力を解放出来ないアリスは、
俺と一緒に街の裏を精一杯逃げた。















だが、やはりチェインを振り切れず、



アリスが、俺が守らなきゃいけないアリスが
チェインの攻撃を受けてしまったんだ。



















振り向いた俺にかかる、血飛沫。
広がる、血の紅い色。





















目の前が紅く染まった。




頭が痛くなった。




雨が降ってきた。




耳鳴りがうるさかった。


















気が付いたら、









俺は自分でチェインを斬っていた。












ビーラビットの使う、
重くて大きな、あの鎌で。


























「…ア、リス………?」



















アリスは、唯、何も言わずに
俺に抱き着いていた。













「……ごめんね…アリス…」















抱き着いているアリスの頭を
そっと撫でようとしたけれど、


右手には鎌。
左手にはきっとチェインの返り血だろう、
赤黒く生々しい血が付着している。



とてもアリスを撫でられる状態じゃない。















「アリス……ごめん……」














俺は、
















「…ごめんね…………」

















唯謝る事しか出来ない。




ゴメンナサイ、と。


















俺は、存在しては
いけなかったから。

















認められなかったから。















だから、アリスを……











「オズ」














何も言わなかったアリスが
顔を上げた。










「お前は…何故直ぐ否定する」














そのアリスの瞳は、
まっすぐに


















「お前は……っ」
















透明な滴を溢しながら
俺を見つめていた。


















「お前で良いんだっ……」


















アリスの言葉は、
まるで俺を包み込む様に優しくて












心が


強く揺らいだ。


















不思議だな









なんか俺まで、











「うん」














涙が出てきちゃった。


















「ありがとう」




















(This voice a report)

君の言葉は
俺の心の救いになる。























+ー+ー+ー+ー+ー+ー+ー+

あとがき



何がしたかったんだ自分。





 


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