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俺が魔王さま!?
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俺は佐原 八夜。大学の事務員をしている。

好きだから、やれることはやっているだけなのだが、最近よく働きすぎだと言われる。

自身の体調管理は出来ているし無理もしていないので働き過ぎということもない。

心配してくれるのは嬉しいのだが、みんなは優しすぎるんだ。


「おーい、佐原、もう休憩したらどうだ?朝からまともな休憩もとらずにずっと仕事してるじゃん」

心配そうに顔を覗き込んでくれたのは、松原 正治さん。大学のころからの友人だ。

だけど、俺は職場にそういった関係性を持ち出したくないので、敬語で話すようにしている。

「ありがとうございます。正治さん。ですが、もう少しで終わりますので…」

一度、正治さんを見てから再び書類に目を向けると今度は同じ事務の先輩の四川 梅香先輩に話しかけられた。

「えぇ〜、佐原さんって本当に仕事人間ですね〜!私なんて同じ時間に入って3回以上休憩とってるのに〜」

なぜ、不真面目さをアピールするのか・・・

梅香先輩は悪い人ではないが、俺にはその考えは理解できない

「はは、まぁ、梅香のことは置いといて、たしかに息抜きも大切だぞ?そういえばお前読書好きだったよな?この本やるから、すこし読んで休め、な?」

正治さんは聞き分けのない子供をあやすように言った。

俺は渋々、本を受け取ると、意外としっかりしてる本だったので驚いた。

だって正治さんがこんな本持ってるなんて思ってなかったから


「はい!じゃあ、その本持ったままそっちのソファ行って休んだ休んだ!!」

「ちょ、ちょっと!正治さん!」

ソファまで誘導され、半ば無理やり座らされた。

本当にあともう少しで書類が終わりそうだったのに…

こっそり立ち上がって書類だけでも取ろうとすると、正治さんが目で制してくるので、しかたなく渡された本を読むことにした。

ファンタジー系か・・・あんまり読んだことないな。



〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇



「あれ、佐原…いつの間にか寝てる…」

「本当ですね〜!毛布かけときましょ!」

「本人は大丈夫って言ってるが、体は正直なんだよな」

四川が佐原に毛布をかけている様子を見ながら松原はつぶやいた。


「松原さ〜ん。私たちも休みましょうよ〜」

「ダメだ。ほら、書類かたすぞ!行った行った!」



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