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・13/08/20 自警団詰め所 encounter:バートレット/リヴォ/ギガトール/十六夜

事件概要は大まかにはこうだ。

身元を隠して詰め所にあった指輪を取りに来た賞金首が来てバレて団員を三人殺害して、逃走。

舐められているといえば舐められている方のなのかもしれないけれど。堂々と、真昼間から。深夜帯でもなくこんな時間に。騒ぎになってから気付いて、バートレットさんが私を上手く扱える位置にと、待機。もっと距離が近ければ良かった。警戒態勢、人質の取ってある段階、突き放したからって早速攻撃に移る浅はかさは、どうなのかと思うけれど。新人さんかな。そのせいで血が、飛んだ。

能力を知り得ない段階でそういった行動に出るのだから、殉職者が出た。血に関してはバートレットさんは、どの段階で気付いた?詠唱による術式具現、止めるなら喉と口であるけれど。
私達が守るべき隙も無い、発動されたら死への抵抗が出来ないその状況の中で神父さまが来てくれた事は幸運だったけれど。来なかったら、あれが叫んだ段階で私は四人目の殉職者になっていただろうし。銃の扱い方は、そう。二通り。腕にぶち込んで釘をへし折って動きを止めるか、それかバートレットさんの言葉のままに、撃つか。それで、撃つ選択をしたんだ。

神父さまが居てくれたからって安心もあったけれど、死を恐れな過ぎるのも、問題かな。居なくても、撃てていた自信がある。きっと私はあそこで、死んでいたのだろう。

また助けられてしまった。お返しはいつもの通り、出来ない。


犯罪者の思考を真似る芸当が出来ない訳でもないけれど。私も猟奇殺人鬼であることには、違いないから。
様々な分岐がそこにはあったはずで。私がただ捕まる分岐も、セシリアに殺される分岐も、ただ殺し続けて、最悪の形で死を迎える分岐も。

その中でも最善が、存在した。最善を与えてくれる人が、いた。


私はその選択肢を、分岐を選ばせられれば、いいと思う。

未だ見ぬ無数の犯罪者へ。

ただ捕まえて檻に放り込むだけの自警団じゃないよ。
声があるなら、聞き届ける。その余地くらいは、持っててもいいと思う。

そうして私はここにいるんだから。



左腕は少しだけ、かかる。

キスには小さな勇気をたくさん。

背はそんなに大きくない、かぁ。



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