[携帯モード] [URL送信]
・13/05/09 自警団詰め所 encounter:ギガトール/バートレット
ごわごわさんは私を殺す為にこの街へ、私を呼び出した。

牢獄で聖書を読み続ける私に、大切な一言を気付かせてくれた十字架をくれたのが始まりだった。

セシリアの結婚式の話を教えてくれた。

裏庭に出る事を勧めてくれた。

運動として、そして力を取り戻す為鍛錬をする様に言ってくれた。手合わせもした。


全部、殺す為の準備だった。生きる希望も、頑張る意味さえ殺す理由として。あの脱獄事件さえも、利用して。


二年前に、私が彼の愛する人を殺した。だから。



神父さまはそれでも、私に受け止める覚悟を与えてくれた。一番最初に、語る前に。けれど、ずるいよ、意地悪だよ。
悲しみと怒りの想いが、私に降り注いでも、私の周りに降り注いでも、受け止める覚悟。後者の言葉に違和感は、あったんだ。誰かに迷惑を掛けてでも受け止める覚悟。誰かにその悲しみと怒りと憎しみが降り注いでも、受け止められるか、と。

私は頷いた。神父さまが受け止めるという事さえ知らずに。

私よりも卑怯な言葉だった。何故受け止めさせてくれないのか。分かってはいるつもりだ。ごわごわさんは確かに被害者でしかない。加害者になろうとしている、復讐として、私を殺そうとしている。だからこそ今、私を加害者と神父さまは見て、被害者であるごわごわさんの立場に立った。
説得はしない。もう矛先は、無い。どうにも出来ない。娘という言葉があった。私の呪いの証明がどういう意味で縛るかを理解してしまった。もう、詰みでしかない。だからこそ、もうやり場など、無いのだと。爆発寸前、とも言っていた。

全員、いつかは笑える結末に。バートレットさんにも、そのお願いを。
償いとは何か、その実感を与える為でもある。とても苦しい事。それでも私は受け止め続ける。

53点の解呪品。うん、頑張って!


ハンカチは式場で。待ってるから、だから絶対、帰ってきてね。

私にとって貴方は、とても大切な人だから。


[↓old][new↑]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!