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・13/05/06 自警団詰め所 encounter:ライデン/ラクリモーサ/ルイン
陳腐で、つまらない。きっとそれは引き金の言葉、否定して殺して、お前の考えは間違っているという言葉に続く。

でも、それは続く事はなかった。

神を視る者は自分の人生を、想いを重ねた解釈を抱える。それを否定する事はその人の今までの人生を否定する事に違いない。私は、この二年で知ってしまったからこそ、あの雪の日には貴女を否定する事は出来なかった。誰かを殺め捧げるとしても、だ。それが貴女の解釈で、想いで、人生であったから。ただ自警という側面で捉えたら別物のお話だから、その考えは悪だとして捕まえる事が出来る。神を視る者としての否定ではなく、普通の目からの否定が向けられる。法とか、そういう頭の硬そうな部分で。

陳腐で、つまらないお話だろう。それでも見付け出した私なりの解釈。神はその人の心の中に、それぞれの見え方で違うもの、笑ってもいるし怒ってもいるし、無表情でもいると思っている。事実、私の神はずっと怒っているように見えていたから。私は恐れてもいた。同時に怨んで、呪ってさえいた。今は笑っていると思う。なんだかなぁ、呑気そうな考えだと私自身思えるけれども、今私は、とても幸せだから。
辿り着くのに苦労が無かったわけじゃなかった。けれど、理解はすんなりと出来たんだ。こういう事なのかな、と。大きな概要としては、見方によって、立ち位置によって神の表情も在り方も違うという事。
私の信じている神は、生きている全ての人の為に愛を与えてくれる神。生きているからこその、神だ。

笑わせる為になんかやってないよー。地味に痛かったし。
どうなるかは私にも分からない。それでも、足掻いてみせるよ。償いからは目を逸らさずに、今までの命を奪った数から逸らさずに。

殺せない、という言葉は余分だと言った。けれど、意味合いは違った。力が喪われる。その意味を理解する。アイザックの悪魔を祓う、全ての力を使って、例えそれで成功するか分からなくとも、分離出来るか明瞭でもないとしても。最後の仕事として。


その決意は痛い程理解出来る。だからこそ止めはしない。


けれど。


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