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・13/04/19 自警団詰め所 encounter:ユベルティ
時と場合、ギル君はそう言ったんだっけ。銃を貸してくれるのは。あの状況を時と場合の条件に合致させた要因は一体何だったのか、そこは気になる所でもあった。ただ、見境すら無かったと言われればそこまでだけど。流石に練習、には使わせてもらえそうにはないなぁ。ちょっと勘を忘れてそう。けど、2年振りでもファニングは出来たからまぁいいかな。

あれ、でも回転式弾倉拳銃使ってたのって、組織に居た時の予備でお遊び程度だったっけ。となる、と、もっと前?

そんな所に来たのは自警団員さんではなくて。もっと意外な人だった。神父様から聞いてはいたけれど、本当に久し振りだったから。
覚えているよ、あの雨の日の事を。確か凶賊事件の後の出来事だったかな。ジュリエッタと刃を交えた後、包帯まみれのまま雨にも関わらず広場で掲示板を見ていた私に傘を差し出したのは。あの時の言葉は全て嘘だった。けれどそれを、彼は見抜いた。だからこそ気に掛けて、今に繋がってもいる。不思議なものだ。それが一度目。
二度目は最後の日。雷雨の日で、セシリアが殺してくれる筈の日だった。殆ど話もしていなかったけれど、最後にエスコートしてくれたかな。たったのそれだけだった。だから、後で聞いた時は驚いたよ。もう一人の赤禍ツの方も追っていたとはね。そして手助けしてくれた事も。好奇心という最小の釣り針だったけれども、大きなものを引っ掻けてくれた。
あれ、そういえば私がラクリモーサに左腕をやられた時にも居たような気がするけど、気のせいか。気のせいだね。

まともに話をしたことなどありもしなかったね。あの時に本当に素であれたのはセシリアやエレナカレンくらいしかいなかったかもしれないし。
今ではもう、この通りだけど。

こまみるくゆべし!は、やっぱりお腹空いてくる。ユベっちに決定。よし。
まだ話したのはたったの三度だ。何も分からないけれど、互いに何を成したのか、何を抱えたのか、十分に分かり合えてると思う。好奇心でもお人好しでも偽善だろうが構わない、純粋に思ってくれているのなら、尚更だけれど。助けてくれた事実には、変わりないんだ。だから私はそれが、純粋に嬉しかった。

だから、いつかまた。もっと返せるように。


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あきゅろす。
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