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「今日はありがとう…」

玄関先で夜梨はお礼を言い清花は一度お辞儀をして自宅に向かって歩き出し、それを見送った夜梨は部屋に戻って服のポケットから携帯電話を取り出した


*****


(〜〜♪〜♪♪…ピッ)

携帯電話が着信を知らせ持ち主は電話口に出る

「はい…」

(どういうつもり?)

少し怒り口調で相手は言葉を発した

「何のこと?」

(とぼけるなよっ、三井さんを寄越すなんて、どういうつもりだよっ)

「なんだ、そのこと…」

読んでいた本を閉じて緒里は言った
怒り口調の電話の相手は夜梨だった
清花を見送ったすぐあと夜梨は緒里に電話を掛けたのだ


「いいじゃない、あの子は良い子よ…あなたを本気で心配している」

苦笑いし、諭すように言う

(…………)

「……もう、あれから4年よ、そろそろ…」

(……そんなこと…分かってる!…ブツッ!)

電話は一方的に夜梨から切れた


「……………」

緒里はしばらく携帯を見つめた後、それを閉じた


―私は、ただ……貴女に早く立ち直ってほしいんだよ?―



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