2 雨宮夜梨side 新入生が文芸部に入ってきた その子を初めて見た時、私は心臓が止まるかと思った 姿も少し似ているが何より…雰囲気が、"あの子"に似ていた 私にとって…最も触れたくない過去のあの子………… 支倉緒里side 今日、入部してきた三井さんを見て私は驚いた 夜梨が昔付き合っていた女の子に似ていたから……私はあまり会った事はないけど、よく笑う明るい顔や穏やかな雰囲気が印象的でよく覚えている 夜梨は…大丈夫だろうか…過去を封印して今まで過ごしてきた夜梨が、三井さんという存在によって悪い方向へ行ってしまうのではと思ってしまう 思い過ごしであってほしいと願う………… ***** ある日の夜…清花はコンビニに行った帰り、近所の公園の前を通り掛かった それほど大きくない、ブランコと滑り台とベンチがあるだけの児童公園 ベンチに見知った人が座っていた、その人物の表情を見て清花は驚愕する、それは…感情を失くしたような冷たいを目をした夜梨だった 普段見ない表情をした夜梨に清花は声を掛けられず逃げるように自宅に戻った 翌朝、学校での夜梨は普段通りだった しかし、清花は昨夜の夜梨の様子が気になって仕方なかった この日、夜梨は学校を欠席した…… [*前へ][次へ#] [戻る] |