小説
貴方にあえてよかった(兵部×皆本)ギャグ風味、部屋に押しかけた兵部が皆本と?
「……あーんってしてくれなきゃたべられないな」
「なんでそう、あんたは!」
皆本クンは渋い顔でこちらをみていた。
なんてったって、女王たちが今夜はいない。
二人っきりになるチャンスだ。ってことで本日、ボクは彼らが住むマンションに押しかけたって次第。
夕飯ご馳走になりにきたよってと言って台所にボクが顔をだしたときの皆本クンの顔はすごく面白かった。
「……いやあ見ものだったな」
「何がだ!」
「驚いた皆本クンの顔ったら!」
変態糞爺! と皆本クンが顔を真っ赤にして怒りの形相でボクを見た。
限りなくボクをそそらせてくれるその表情。
いやあ、見ものだねやっぱり。
ボクは純和風といった感じの皿が並んだテーブルを見る。ボクのリクエストなんだけどねこれは。
肉じゃが、きんぴらごぼう、味噌汁、ご飯。
やっぱり日本人はこれでなければ!
皆本クンははあと大きなため息をつく。
早くたべて帰れ、とまた彼は大声でボクに怒鳴りつけた。
「……だからあーんって……」
「勝手にくって帰れ……」
ああもう彼はからかうと楽しい。
ボクはにやっと笑う、そしてまっすぐに彼を見て、小さくささやいた。
ボクはテーブルの前に座っている。彼はその前にたっている。だからボクは彼を見上げる格好だ。
「……ボクは君のことが……」
「うるさい、うるさい、うるさい!」
いやあ……追記、からかうと面白い。
いつも彼はこんな感じだ。ボクが彼をからかってると思って、全力で怒ってくる。
「……ひどいな……」
ボクは本気だよ。といってさめざめと泣くと、うっと彼は言葉につまる。
困った顔の彼を見上げ、ボクは泣き続ける。
「……ボクの思いをうけいれてくれないかい?」
「……気持ち悪いことをいうな!」
でもなんだろうなあ、最初の頃と比べれば、多分になんとか落ちそうな気がする。
結構まともに会話になる率が高くなってきたからね。
「気持ち悪いなんてひどいな……」
ハンカチを懐から取り出しボクが泣くと、おろおろ、といったように皆本クンはボクをなだめにかかる。
「いや……ちょっといいすぎた……」
「な〜んてね♪」
ボクは泣くのをやめて、顔をあげてべえっと舌をだす、するとお前またうそ泣きか! と激昂する皆本クン。
観察すると楽しい。
「……どうして、お前いつもここにくるんだ?」
「楽しそうだからかなあ」
お前だって仲間がいるだろ、と彼は呆れた顔でボクをみた。
……そういうことじゃないんだよねえ。とボクは大げさにため息をつく。
なんだよ。とふてくされた顔で彼は尋ねる。
「からかうと君楽しいし」
「おい!」
どうして、あーんが駄目なのかな、とボクが拗ねた顔で尋ねると、男同士で気持ち悪いだろ。と盛大に皆本クンがため息をついた。
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