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小説
平行線のまま・・・(兵部×皆本、皆本視点)
ボクたちを人は恐れる。普通の人は。
 ノーマルは所詮違うんだ。ボクらとは。

 ……考える、考える、考える。
 僕も昔兵部と同じ事を思ったことがあった。

 ……大人も僕を恐れた。普通の子供とは違うから。
 チルドレンたちも同じだ。僕と出会う前の彼女たちは大人を信じきれずにいた。

 ……超能力者は特別な力をもってしまっただけのただの人だ。
 僕は考える。
 まどろみの中。
 ゆめをみる、ゆめをみる。ゆめをみた。
 懐かしいゆめだった。
 母さんが泣いていて、悲しい顔をした父さんがいた。
 ……かなしいゆめを見た。
 
 ……僕はベッドの中でまどろむ。
 そしてゆめを見る。
 悲しい顔をした薫達の顔と、兵部たちの顔。
 超能力者たちの顔を。

 ……かなしいゆめを見た。
 かなしいと思う気持ちは同じだ。
 ……エスパーは特別な力をもってしまっただけのただの人間だ。
 同じ人間だ。

 考える、ベッドの中で考える。
 相容れることのないパンドラとバベル。
 どこまでいっても平行線の……僕らのことを。


パンドラの箱と対にかいた小説です。
二人とも願いは同じなのに、相容れない。
兵部視点と、皆本視点は書いていて結構楽しかったです

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あきゅろす。
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