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小説
パンドラの箱(兵部独白)
遠い遠い遠い空の彼方にあるものは幸せなのか?
 それはわからない。
 ……超能力者が世界を滅ぼす。
 そういってあの人は銃をにぎった。

 ……ノーマルとボクらはわかりあえない。
 でも強い瞳で、そうじゃないと言い切るやつがいた。
 ボクたちの希望である女王たちは、今はそいつのもとにいる。
 いつかわかるだろう、ノーマルとエスパーは相容れないものであると。

「貴方たちは希望です。私たちの」
 そういって心酔した表情でボクに彼らは言う。
 違う、希望は女王たちだ。ボクじゃない。
 強い瞳で、ノーマルとエスパーは相容れることができるとやつはいう。
 それはありえない。
 いつか女王たちも思い知るだろう。

 思い出すのはただあの強い憎しみの眼差し。
 あの人が銃をボクに向けた時の、強い憎悪。
 
 ……化け物といわれることはつらい。
 とても辛い。
 とてもとても悲しい。


 あいつは絶対に女王を殺さないと言い切る。
 それは絶対にない。
 予知は絶対だ。誤差はほとんどない。


 ボクは遠い空の彼方を見上げる。
 強い瞳であいつが言い切る言葉を否定して。

 ……希望なんて、この世界にはない。
 ノーマルがいる限り。
 パンドラの箱は開かれて、希望が残ることもない。



対になる皆本の文もあります。
できたら両方のっけたいな〜と思いつつ眠さに負けて挫折です。明日あたりのせたいですね〜


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