[携帯モード] [URL送信]

小説
いつか貴方に出会えるならば(兵部シリアス 過去追憶? 完結
 あなたはエスパーもノーマルも同じだといった。
 人のなかで稀に生まれる特別な力を持つ『人間』それがエスパーだと。
『ねえ、考えてみて人ってね、すごい力を生まれもって持つものなの。そのうちの一つがエスパーなの』
 そういってあなたは笑ったね、僕の……姉さん。
 あなたは笑ったね。そういって。
 あなたもエスパーだったけど、あなたと僕のあの人はノーマルだった。
『人の中で稀に特別な力を持つ人間がいる、それがエスパーだ。エスパーも人間だ』
 そういって強い瞳で僕を見た彼、僕はその強い瞳にあの人をダブらせた。
「必要なのは……必要なのは……」
 絶対のカリスマ、それは女王だ。
 エスパーの中の絶対のカリスマ、それをもってノーマルを黙らせる。
 そう誓ったはずなのに。
「こころがいたいのはなぜだ?」
 心が痛むんだ。不二子さん。
 心が痛むんだ。とてもとてもとてもとても。
 とても痛む。女王。
 誓ったんだ、でもあの人の瞳を思い出すたびそれが揺らぐ。
 この手はバベルの……かっての戦友が作り上げた理想の城を築こうとしていた人々の血で染まっているというように。
「心が痛む」
 手を上にあげる。ほら血が見える。僕が殺した人々の血が。
 怨嗟が、憎悪が、悲哀が。
 心が痛むんだ……誰か助けてほしい。
 お願いだ、強い瞳で僕をにらみつけた彼の黒い瞳を思い出す。
 お願いだ、お願いだ。
 洗っても洗っても血は取れない。
 人々の憎悪と怨嗟が僕の中で木霊する。
 ただ木霊する。


過去追憶のSSです。
すいません・・・皆本でてこなくて。


[*前へ][次へ#]

6/14ページ


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!