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ずっとずっと貴方の傍に… (ティエミレ)






この頃、彼はどうしようもなく苦しそうな顔をする…。
ミレイナはアーデさんのために、なにをしてあげられるのだろう。














「アーデさんっ!!」
「わっ!、…ミレイナ?」



ブリーフィングルームで一人考え込んだ様子だったティエリアを見つけたミレイナは彼に気づかれないようにと足音を忍ばせて近寄り、いきなり声をかけてみた。
すると案の定ティエリアは驚いてパッとこちらを振り向いて、声の正体がミレイナだと分かるとホッとしたように表情を優しくした。



「あの…考え事ですかっ?」
「あぁ、少しな…」



ティエリアが腰を下ろしている隣にミレイナが座ってきくと、またティエリアはさっきみたいに苦い顔になってしまった。


この頃彼はいつも何かを恐れているみたいにとても苦しそうな顔をしていることが多かった。
みんなといるときやミレイナと話しているときは普通だけど、一人のときや、ふとした瞬間。
あなたはいつもなんだか泣きそうな顔をしている…。


そんな彼を見る度にミレイナ自身も心が痛くなってしまう。
彼を苦しめているものから救い出してあげたい。
でも、ミレイナは何もしてあげられなくて…。
だから、
せめて…





「アーデ…さん」
「なんだ?」
「…もう不安を隠さないで、ミレイナに弱さを見せて下さいです」
「ミレイナ…」



驚いて目を見開いた彼を見つめ返して「お願いです、」とその手を握ると、彼はあの泣き出しそうな顔になってしまい、それを隠すように俯いてしまった。
そして数秒の沈黙の後、



「ありがとう、ミレイナ…。でも大丈夫だ、これは僕個人の問題だ」



優しい彼は苦しむのは自分だけで良いとでもいうように少しだけ微笑んだ。
でも、そうして微笑む貴方は全然大丈夫には見えない。
むしろ今にも崩れ落ちてしまいそうで…。
そんなのはもちろん嫌で。




「駄目です!どうか、恐れてることを一人で抱え込まないで下さいです!!ミレイナにも教えて下さいですっ!」



貴方が苦しみを感じているのなら、一緒にその苦しみを感じたい。
貴方が悩むなら、
一緒に悩みたい。
貴方が泣くなら、
一緒に泣きたい。


そうしたらきっと少なくとも痛みを分け合える。
それにミレイナにできることが見つかるかもしれない。



ミレイナが必死にそう訴え続けるとティエリアは涙をこらえるように顔を歪めた後に、「ありがとう」と呟くように言って…それからミレイナの両手を強く握って。





「ありがとう、ミレイナ」





優しく柔らかく笑った。







そう。
ミレイナはアーデさんのその笑顔が大好きなんです。
その笑顔を守りたいから…
だからずっとずっと傍にいても良いですか?
今は頼りないかもしれないけど…でも必ずずっとずっと傍にいますから…。










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唐突ながらティエミレのイメージ曲が私の中では坂本真綾さんの『スピカ』という曲で定着しつつあります。
とても明るくて良い曲です☆


せっかく今日は雛祭りなのにそれに関するお話はかけていません…^^;
来年頑張ります!!←


09.03.03

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