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何度だって。(ティエミレ/20話繋がり話





また、失ってしまうのか。
そう思ってしまったんだ。















「ミレイナっ!!」
「っ!…ぁ、アーデさんっ!!」




暗闇の中、姿を現した君は疲れ果てたようにぐったりとソーマに支えられていて、今にも崩れ落ちてしまいそうで…思わず名前を呼んで駆け寄った。


するとミレイナはパッと顔を上げて、涙を堪えるかのように一瞬顔を歪ませて僕の胸に飛び込んできた。
抱きしめた彼女の体はとても小さくて、震えていて…今にも壊れてしまいそうで…。
安心して欲しい一心でその体を力一杯抱きしめた。








「ミレイナ…すまなかった」
「なんで…謝るですか…?」



ミレイナが怪訝そうな顔をして、僕を見上げてきた。
自分自身悔しさのあまり零れ出しそうな涙を見せるわけにはいかないと堪えた。





僕は君のことを危険から守ってやることができなかった。
もう、四年前のように大切な人を傷つけたり、失ったりはしない。
今度こそは、僕が守る。
そう強く強く心に誓ったはずなのに…。
また…
また、僕は……。








いつの間にか気を利かせたのかソーマは姿を消していて。
暗闇の中、ミレイナの姿だけが見える。
いっそのこと、「何で守ってくれなかったのか」と責めてくれたって良かったんだ。




…でも、







「そんなことはないです!」
「ミレイナ…?」




なぜかミレイナは僕を責めることも蔑むこともしないで、


静かに優しく、





「アーデさん、アーデさんはミレイナのことを守ってくれましたです」






微笑んだんだ。







驚いて目を見開いた僕にミレイナは微笑んだまま、言葉を続けた。





「ミレイナ、リターナーさんに銃を向けられたとき、恐くて…本当に恐くて…でも、きっと大丈夫って思えたんです…」
「ミレイナ…」
「だって、きっと…」




アーデさんが、ミレイナのことを守ってくれるから。





「ミレイナはアーデさんにずっと不安から守ってもらったです!…だから、ありがとうございましたです」





ミレイナの言葉にやはり唖然としてしまって、口を開けたまま固まってしまった。
感謝されるなんて全く思っていなかったからだ。
するとミレイナは「アーデさん、面白い顔です!!」と元気さを取り戻したかのように、明るく笑った。


その笑顔によって暗く重く漂っていた雰囲気は吹き飛んでしまって…、
やはり彼女には適わないな。
そう思いながら僕自身も静かに笑って、
それから自然な気持ちでニコニコして僕を見上げるミレイナの頬に軽いキスを落とした。





「ありがとう……次も、必ず君を守る」
「はいですっ!お願いしますです!」




何度だって誓うさ。
君をずっとずっと守る。
絶対に守るから───







□■□■□■□■□■□


今回は特に文章力のなさを痛感しました…^^;


それにしても20話はハラハラさせてくれました



09.02.26

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あきゅろす。
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