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絶対飲酒禁止例っ!! (ティエミレ)
「アーデさあああん」
「ミレイナっ!?」
ミレイナの大きな声が聞こえたかと思うと振り返る前に後ろから力強く抱きしめられた。
ここまでなら、いつもと何の変わりはなかった。
だけど、
「ミレイナ…大丈夫か…?」
振り返って見ると…明らかにミレイナの様子がおかしかった。
僕が支えていないと妙にフラフラして危なっかしいし、熱に浮かされたかのように顔は赤いし、眼はトロンとして…
そうだ、
この状態はまるで…。
「アーデさぁんっっっ」
「ミレイ…んっ!?」
口を開きかけようとしたところにミレイナはニコニコと笑って飛びついてきて、驚く間もなく唇を重ねたきたのだ。
「ちょ、ちょっと待て!!」
慌ててミレイナの肩に手を置き引き離すとミレイナはきょとんして「なんでですかー?」と小首を傾げた。
その仕草もいつもとは違って見えるのは眼がトロンとしているせいなのだろうか…、
なんだかそういうところも物凄く可愛くて…って違う、そう言うことじゃなくて!!
暴走しだした思考を無理矢理正して、僕は確信を持ってミレイナに言った。
「ミレイナ、飲酒したな…?」
キスされたときに感じたミレイナの吐息が、明らかに酒気を帯びていたのだ。
…まだ14の彼女にとっては当然飲酒は許される行為では無い。
そのことを咎めようと口を開いた。
すると今度は「ミレイナ!!探したわ…」という声が後ろから割り込んできた。
声の主はフェルトとスメラギで、二人ともミレイナの姿を見て困ったように笑った。
「やっぱり酔ってるわねー」
「ミレイナったら…」
二人のミレイナの飲酒が当然のような口調に、思わず眉をひそめて黙り込んでしまうと僕の複雑そうな表情を見てか、僕の腕の中でぼんやりとしているミレイナの頭を撫でながらスメラギさんが彼女がこうなってしまった経緯を教えてくれた。
「ウィスキーボンボン?」
「そうなのよ、ミレイナったら食堂にあったウィスキーボンボンを普通のチョコレートと間違えてたくさん食べちゃったのよ」
「で、私たちがそれに気付いて止めようとしたんですけどその前に食堂を飛び出して行っちゃって…」
呆れて物が言えないとはきっとこういうことなのだろう。
多大なる疲労感が僕を襲い、それは大きな溜息となって零れ落ちた。
するとそれをさっきからぼんやりと見上げていたミレイナが急にまたハイテンションになって…。
「溜息ついたら幸せ逃げちゃうですー!!!!!!!!!」
「わっ、ちょっと待てミレ…」
またもやキスしようと顔を寄せてくるミレイナに、君は酔うとキス魔にでもなってしまうのか!?と突っ込みたくて。
そして、そんな襲われそうな僕をニコニコと笑ってみている女性クルー二人に助けろ!!と言いたくて。
でも、こんな状況ではできるわけはなく…。
僕は心の中で叫んだ。
(ミレイナ、いつか君が大人になったとしても飲酒だけは絶対禁止だ!!!!!!!)
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きっとミレイナは笑い上戸でティエリアは物凄い笑い上戸か物凄い泣き上戸のどちらかだと思います(笑
09.03.03
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