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小説
StoryY
「へぇ、じゃぁ動物には慣れてるんだ?」
次の日の夜、私はビーストと訓練場を出ながら話していた。
「はい!もう死んじゃったけど、リスも飼ってたんです」
「ふ〜ん、どうりでベティが早く懐いてたんだね。・・・あ、私先にシャワー浴びてくるね」
「え、シャワー・・・って水?」
シエルがさっき、ぶつぶつ言っていた水浴びシャワーを思い出して、ギクリとしながら言った。
「あはは、それは男子専用だよ。女子の特権で、1つシャワーの個室があるの」
「へぇ〜!じゃぁ、先に部屋行っときますね♪」
「うん、じゃあ後で」

はぁ〜
ホントいい人だよな〜
私は、チラッと腰に忍ばせてある拳銃を見て、こんなの使わなくていいかも・・・とか思う。
ってゆうか、私に人を打てるのかな?
人1倍怖がりだし、そんな状況になったらパニクっちゃうかも(−−



「ローズ!!!」
しばらくして、ビーストさんがテントに帰ってきた。
「あ、どうしたんですか?」
「スマイルが寝込んでるらしいよ?!」
「えぇ!!?」
「あんた、知り合いでしょ?様子見てきな」
「はい!」

やばいって!
シエルあんなにひ弱そうだもん!
「あの!」
救護テントに飛び込んで呼びかけてみる。
「あ、セバスチャン!シエルは?」
ベッドで寝ているシエルを、お医者さんとセバスチャンとソバカスの人が囲んでいる。
「喘息だそうです」
「喘息・・・?あ!」
シエルが目をさます
「良かった、気がついたね」
お医者さんが声をかける。
シエルは水を飲みながら先生から注意を受けていた。
すごくしんどそうで、私達は追い出されてしまった。


「ね、セバスチャン」
テントの外でセバスチャンに声をかける。
「シエル、やっぱりストレスとかかな?」
「ええ、昼間、水浸しになっていましたから」
「そっか・・・」
「そういえば、手がかりが見つかりましたよ」


「なんでジョーカーのテントにシエルの情報が・・・?」
「差出人の紋章を見つけたので、私はその持ち主を調べてきます」
「うん、がんばってね」
「・・・それから、念の為坊ちゃんのお傍に居てくださりますか?」
セバスチャンがなんか怪しい顔してる!
「・・・なんで?」
「なんででも、です。さ、救護テントに戻って」
ひぃ!めっちゃ黒いオーラ出してる!
「わ・・・分かりました!」
「いい子ですね」
なんか子供扱いされてむかついたけど、セバスチャンがなんか怖かったから、私は急いでテントに戻った。

「ん?ローズ、帰ってきたのかい?」
先生が訝しげに私を見る。
「はい・・・私、スマイルが心配で心配で・・・」
お、我ながらいい演技!
まぁ本当に心配なんだけどね。
「そうかい。じゃぁ泊まっていきなさい。そのかわり安静にさせとく事!」
「はーい」

何故かシエルの隣でいびきをかいているソバカス・・・。
シエル苦しそうだな。
そんな事を思っていると、いつのまにかベッドの傍で寝てしまっていた。







「お嬢様、起きなさい!」
「・・・ん?あ!すっかり寝てた!シエル、おはよう!もう元気?」
「あぁ、すっかりとは言えんがな」
うん・・・確かにしんどそう。
「さて、もうここにいる必要はございません。皆さんが食事をしている間に帰りましょう」
「え!?帰るの!?」
「当たり前だ、もうここに用はない」
シエルがあっさり言う。
「そんな〜、なんか寂しい・・・。あ!ビーストさんにさよならを!」
「馬鹿!早く行くぞ!」
私まで抱え上げそうになったセバスチャンを見て、慌てて言った。
「いいよ!歩くから!2人も持ったら重いよ!」






「シエル!!!!」
屋敷についたとたん、ソーマが大声をだす。
しかし、すぐにシエルの体調に気づいたようだ。
そしてしつこく部屋の前まで付いてきたが、シエルによって剥がされた。

「さて、お嬢様は自室へ」
「うん、1人で行くから、シエルに付いといていいよ」
私は隣の自室へ帰った。

コンコン
「失礼しま・・・」
「ちょっと待ってぇぇぇぇぇ!!!」
ベッドの上でだらだらしていた私は、慌てて座る。
でもセバスチャンはもう入ってきてたようだ。
「まったく・・・気の抜きようがすごいですね」
「う、うるさいなぁ!何!?」
何か失礼だな!
「出発は明日にしましょう」
「?そりゃ、シエルにはゆっくり休んでもらわなきゃ」
そう言った私を見て、何故かセバスチャンはニコっと笑った。
「そういえば、差出人はケルヴィン男爵という方だそうです」
「ふーん、すごい名前」
「ここに明日の服を用意しておくので」
そう言ってなんか、またしても動きにくそうなドレスを置いた。
「ね・・・明日はさ、私シエルの婚約者じゃなくって、裏工作員として行くんでしょ?」
「はい、そうなりますね」
「じゃぁ、もっと動きやすい服はない?」
「・・・そうですね、用意しているのは同じような形ですから・・・」
「あ、制服じゃだめ?ここに来た時着てた服」
「はい、ずいぶんはしたないですが・・・持ってきましょう」
「ヤッター、ありがと♪」

はしたないって言っても、動きやすいし慣れてるしね。
そう考えながら、持ってきてくれた制服を見ながらベッドに潜り込む。






次の日。
シエルは夜まで寝てたみたいで、私はずっと暇だった。
でもよく寝て直してもらわないと!

「お嬢様、出発しますよ」
「はーい」
扉の向こうの声を聞いて返事をする。
そして部屋を出る前、鏡をチェック!

ふふ☆
なんか「セーラー服と機関銃」ってかんじでかっこいいかも♪
どんな話かは知らないけど、とにかくいい感じ♪

そう思いながら扉をあける。
「お待たせ〜」
シエルが私を見てあきれた顔でつぶやいた。
「すごい格好だな」
「な!失礼な!これが慣れてるの!」
「あーはいはい」

なんか納得いかないなぁ、と思いながら玄関に向かう。
途中でソーマに絡まれたけど、シエルの見事な笑顔でなんとかふりきった。



いざ!出陣☆

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