Bettyの小説 第4話『難解キャンディーズ』 ここは… 「まぁ、お坊さんだわ〜っ 健坊が連れて来られた場所は、一軒の飲み屋さんであった。 たくさんのお客さんの中、袈裟姿の健坊は、明らかに浮いており、たくさんの人に注目を浴びていた。 しかし、相当の疲れと喉の乾きに襲われていた健坊は、そんな事はまったく気にせず店の中へと入っていった。 たちまち、健坊はその店でちやほやとされ、いつの間にか、健坊の周りにはたくさんの人が集まっていた。 一方、健坊を探しに出かけた寺のぼんさん達は、お寺から東西南北に分かれ、それぞれくまなく捜査を開始した。 「まったく…どこさいっただ健坊は…」 ぼんさん達の主格である将坊は、南方面を担当した。西には、玄昧率いる組、北には、中国出身である如意坊率いる組、東には、ぼんさん一インテリチックな賢坊の組が、それぞれ、健坊の行きそうな場所を想定しひたすら走り回っていた。 みんな、携帯電話を常備し、密に連絡を取り合い捜索していた。 「健坊の行きそうな所はあるか!?」 「いや…思いつきません」 ぼんさん達は、なかなか健坊を探し出せず、行きづまっていた。 [前へ][次へ] |