私はお姉ちゃん
私…いや、お、俺!
「うーん…」
「よしっ!いけっ!ウルトラマーン!」
「姉さん、うるさい…」
「あああ!やられた…。…からの!?」
「うるさいわぁぁぁ!」
ハルヒのせいで体が鳴ってはいけない音をたてた。ミシッゴキッグチャッ、みたいな。
「いってぇ!なんだよ!」
「姉さんがうるさいから殴った」
「えええぇ…あ、ハルヒ何やってるの?」
「ん、ちょっとね…。次の企画よ」
「はいはい、どれどれ?」
これ…
ハルヒ超監督・映画<朝比奈ミクルの冒険>の図案?
ああ、これが一樹、みくるちゃん、有希…
あれ?今書いてるのってギャルソン(執事みたいな)?だれ?
「あ、これがいいわね」
「ねぇ、これなに?古泉、みくるちゃん、有希は分かったんだけど…」
「ああ、これね」
そういってハルヒは書いている紙をひらりと振った。
「映画の図案よ。涼宮美結の略奪」
知っている話と違うのは、私がトリップしたから?
というか、それよりも、
「…なんで、私の名前…?」
「朝比奈ミクルシリーズ、第二弾よ。イツキとミクルがすんなりくっつくのはいかがなもんかな、みたいな感じだから。略奪愛。揺れるミクル、みたいな。胸だけに!」
一気に言ってのけたハルヒは、手に持った紙をそのまま私の鼻面に押し付けた。
「くるしっ。ねぇ、このギャルソン誰さ」
「もちろん姉さんよ」
はぁ!?
「キョンだと思った?」
「…うん、当たり前」
「キョンにやらせると観客からブーイングがくるからね。なら、クールな女顔の執事の…あ、もちろん男役ね…ほうがいいじゃない」
男装、ましてや執事なんて…
き…き…着たい!!
「やる。着たい。俺、がんばる」
「やる気があるのはいいことよ。でももう夜だから、ね。寝ましょ」
気付くと12時。遅いなぁ…
どうりでねむい。
おやすみ、と声をかけて、布団に入った。
ハルヒとの生活はなかなか楽しそうだ。
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