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『君が居る一人暮らし』
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「ただいま……」

「お帰りー! 真理くん!」

 ……ここはどこの保育園だ。

 ワンルームの壁中に、さっき優さんが一生懸命作っていた作品が飾られていて、……すっげーウザい。

「あっ! 嘘、もしかしてそれ、」

 俺が右手に持っていたものを、目ざとく見つけ、瞳をキラキラさせる。

「真理ちゃんナイス!」

 頬をペタペタと撫でられ、右手のブツを奪われた。

「凄いじゃん、どこから持ってきたのさー」

 凄いって、そんなに大したものじゃない。夕飯を買いに行ったスーパーで、七夕だからって、入口に大きい笹竹が飾られていたんだ。……足元にその小さい枝?が落ちてたから、拾ってきただけ。
 ほんの20センチくらいだし、葉っぱも3枚しか付いていない。店を出るときにさりげなく拾いながら、俺、何、情けないことしてんだろうって物凄い恥ずかしくなったが、優さんの嬉しそうな顔見て、拾ってきて良かったと思った。

「じゃーこれに短冊飾ろう! 真理ちゃんも早く書いて、ホラ」

 ダイレクトメールの封筒を切って作った短冊を渡される。

「……つぅかマリちゃん呼ぶな!」

 今日は朝から動揺してたから、ツッコミ忘れてた。

「そんなことどーでもいいから、早く書いて! 真理ちゃん待ちなんだから」

 どーでもよくない! また呼んだし!

 てか願い事とか急に言われても、思い付かない。横からワクワクした顔で覗かれたら尚更だ。

「……」

 やけになって、一息に書き上げた。

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あきゅろす。
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