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『君が居る一人暮らし』
2

「……あ、そうそう、そういえば西先輩が、週末深沢んちで飲み会やるって言ってたぜ。楽しみだな」

 なに?

「あっ、俺も聞きました!」

 待てよ、コラ。

 何で家主抜きで話進んでるんだ!

「聞いてねーし。やらんぞウチで飲み会なんか」

「えっ、でももう里枝さんとかイッチー達とかみんなに声かけてたぜ、西先輩」

 に……西め!(先輩だけど)

 ったく、仕方ない、また優さんには隠れててもらうか……
 てか、やっぱりこんな時のためにも早く成仏してもらった方がいいんだよな。

 そんなわけで、朝イチの講義を適当に受け、適当に1日を過ごした俺は、適当な時間に我が家に帰った。

「ただいま」

「お帰り、真理くん」

 ……ん? 心なしか、優さんの声が真面目。

 あれ? 顔も真面目。

 てか、正座してます?

「……あの、」

「真理くん、こっちにお座り」

 と、茶卓を挟んで向かい側を指差す優さん。
 お座り、って、犬じゃねーし!
 と、ツッコミきれない雰囲気で、俺は言われるまま素直に着座した。何、なんか恐いよ優さん?

「今日は真理くんにお話があります」

 ゴクリ。真剣な様子の優さんが俺をこんなに緊張させるものだとは……。思わず生唾を飲んでしまう。

「突然ですが、真理くんは、俺の死因を知ってる?」

「いや……」

 何だ急に……まぁそういえば、知らないけど。優さんは不慮の事故って言ってたんじゃなかったか。

「一酸化炭素中毒だよ」

 ドキン、とする。具体的に死因を聞くと、改めて目の前のこの色白オタク幽霊が、死んだ人なんだと思い知らされる。

「去年の2月。ガスストーブを消し忘れて、寝てる間に死んじゃった」

「……」

 優さんの住んでたころは、ベッドではなくて床に布団を敷いて寝ていたらしい。一酸化炭素は重いから、空気中でも下に溜まる。寝てたら自然に吸ってしまうから危ないと何かで聞いたことがある。……どうやら、優さんもそのパターンらしく。

「この前、西くんが、自殺の噂があったって言ってたけど、あれはそんなもんじゃなくて、俺の不注意が起こした全くの事故だ」

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あきゅろす。
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