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『魔王に就職』
魔王の誘惑(※ナウラス視点)《3》
 
「ち、違ーう! わぁあ何考えてんだ! ナウラスの変態っ」

「すっ、すみません! 何だか、さっきからアズマ様の様子もおかしかったのでつい……」

 側にあったマクラで連打される。

「俺がおかしいって何だよ!」

 ……あれが無意識なら、それはそれでたちが悪い。
 思わず深いため息が出る。


「あ……、ゴメン、体調悪いんだっけ……。思いきり叩いちゃった…」

 勘違いしたままのアズマ様だが、今更本当のことを言ったらますます怒られそうだ。今日はこのまま具合が悪いふりをしておこう。

「いいえ、私も失礼なことを申してしまいました」

「いや、不本意だけど、変なこと言ったのは俺の方だ。……ゴメン、余計疲れさせちゃったな、」

 うぅ……心が痛い。

「だから、ほら、さっさと俺の気移して回復してよ」

「そうですね……本当に、すみません……」

 再度、仕切り直し。
 もうお互い無駄口はたたかない。

「ん……っ……く」

 アズマ様も先ほどの私の言を気にしているのか、声を我慢しているようだ。

「……ふ、……ん」

 ……でもかえってそれがいやらしく聞こえてしまう私の耳を叱ってやりたい。

「ん……あっ……」

 ……つい力が入りすぎた。アズマ様の身体がビクンとはねる。

 それにしても、このアズマ様の様子は、どうにも私が何かいかがわしいことをしているように感じて仕方ない。……もしかして、気を移すときに、アズマ様には何かしら性的な刺激があるのだろうか。バンパイアが吸血するときのように。
 確かめるため、ちょっと意識して吸い取る気の強弱をつけながらアズマ様の背を撫でてみる。

「っ……ぁ、ん…ッ、ぁぅ、ゃ」

 アズマ様の声と身体が、手の動きに合わせて反応する。やはりそのようだ。

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あきゅろす。
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