『魔王に就職』
魔王様、人間。(※ドゥーガ視点)《5》
「!!」
大きい子どもの人間、ドゥーガ見て、ビックリした。ちょっと後ろに逃げて、でもまた戻ってきた。
「お、俺は! ビルタスの王子ガルシア様だ!お、お、お前なんか、怖くない!!」
木の棒を、両手で握って、ドゥーガ叩こうとしてる。顔が怒ってる、……怖い。
「ドゥーガ、怖い。叩く、ダメ」
ドゥーガ、木の棒、大きい子どもの人間から取って、壊す。
「あっ……。くそ……」
「お前、この子どもの人間の友達。……大丈夫、ドゥーガ、助ける。ドゥーガ、毒消しの草、取る」
泣いてた子どもの人間、見せても、大きい子どもの人間、まだ顔、怖い。どうしよう。ドゥーガ、早く、森に出る出口、行かないと。
「このやろー! カイリを返せ!!」
……石、投げられた。
「石、投げる、ダメ。ドゥーガ痛くない。でも、泣いてた子どもの人間、危ない」
泣いてた子どもの人間、石、当たらないように、反対の手で、隠す。
「あ、……。じゃ、じゃあ、か、返せよ、カイリを!」
よかった。石、投げるの、終わった。
「お前、泣いてた子どもの人間の友達。大丈夫、友達、返す」
ドゥーガ、しゃがんで、手のひらにのせた子どもの人間、ちゃんと、大きい子どもの人間に、見せる。
「カイリ……!?……カイリ死んでるじゃねーか!てめえ許さねぇ!!!」
「! 待って、死んでない! 大丈夫、ビックリして眠ってるだけ。あと、転んで、岩の毒、痛い」
怒ってる。泣いてる。大きい子どもの人間、いっぱい怖い。ドゥーガ、どうする、わからない。
「岩の毒治す、毒消しの草、森にある。取りに行く。一緒に行く」
怖いから、立って、ちょっと離れた。大きい子どもの人間、手で、目をゴシゴシしてる。
「……カイリ、返せ!」
「大丈夫、返す。でも、岩の毒、治してから、返す」
後ろから叩かれたりしたら怖いから、ドゥーガ、いっぱい後ろ向いて、森に出る出口に、行く。
大きい子どもの人間、ゆっくり、ついてきた。
「カイリ、返せ……!」
「大丈夫、返す。岩の毒、治す」
2人、いっぱい、同じこと言って、歩いた。
森に出る出口、やっとついて、ドゥーガ、毒消しの草、探した。
すぐ見つかって、泣いてた子どもの人間の毒、治った。熱、なくなった。顔、紫、なくなった。よかった。
大きい子どもの人間、ちょっと離れたところで、ずっと、じっと、見てた。
「毒、治った。友達、返す」
ドゥーガ、泣いてた子どもの人間を置いて、ちょっと離れた。
大きい子どもの人間、ゆっくり近づいて、泣いてた子どもの人間の顔、見た。
「カイリ、カイリ!」
あ、小さく叩いてる。かわいそう。
「叩く、ダメ。叩く、痛い。かわいそう。眠ってるから、そのまま、帰る」
ドゥーガが言うと、大きい子どもの人間、叩くの止めた。そして、泣いてた子どもの人間、抱っこしようとした。
「ぅ……重い……っ」
泣いてた子どもの人間、小さいけど、眠ってるから、多分、重い。大きい子どもの人間、ちょっとだけ大きいけど、子どもの人間だから、重たいの、持てない。
「……ドゥーガ、洞窟の外、つれていく」
大きい子どもの人間の前に、手のひら、出す。
「……大丈夫。2人、洞窟の外、つれていく」
「…………」
大きい子どもの人間、ドゥーガを、見た。
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