『魔王に就職』
魔王様、人間。(※ドゥーガ視点)《4》
「グス、ヒック……、うぇっ……うぇ」
泣いてる子どもの人間がいるところに、ドゥーガ、来た。
「……泣いてる、かわいそう。大丈夫、ドゥーガ、外に連れて行く」
「!!!!」
ドゥーガ近づいたら、泣いてる子どもの人間、ビックリして、倒れた。
「…………」
……眠ったみたい。良かった。もし魔法使う子どもの人間だったら、叩かないといけなかった。叩いたら、痛い。子どもの人間、痛いの、かわいそう。
「眠ってるうちに、洞窟の外、連れて行く」
泣いてた子どもの人間、ドゥーガ、手のひらにのせた。
「……あ……、ダメ。いけない。これ、痛い。かわいそう……」
手のひらにのせて、ドゥーガ、気づいた。
泣いてた子どもの人間、転んで怪我したところ、岩の毒、入ってる。ちょっと身体、熱い。顔も、紫。
「毒消し、必要」
ドゥーガ、子どもの人間が入ってきた洞窟の入り口、行かない。反対側の、魔王領の森に出る出口に、行く。森に、毒消しの草、ある。
泣いてた子どもの人間、手のひらにのせて、森に出る出口に、行く。
・・・・
「1人で、入ってっちゃったんだよー」
「勇者になるって言ってたんだよー」
「……またか、あのバカ」
「ねー、一緒に助けに行こう、ガルシア」
……さっき、村に帰った子どもの人間たち、また、来た。よかった。泣いてた子どもの人間、迎えにきた。
1人、増えてる。他の子よりちょっとだけ大きくて、ちょっと怖そう。
早く、毒消しの草、見つけよう。泣いてた子どもの人間の毒、治して、友達のところに連れて行こう。
「お、俺、入り口見張っておくよ!」
「わたしも!」
「えーっ! みんなで行こうって言ったじゃん!」
「あーもう、いい!行けるやつだけで行く」
「ガルシアが1番前でいい?」
「みんなで手つなごう……?」
「ま、待ってぇぇ、もっとゆっくり行こうよぉ、」
「……おい、いつものきもだめしじゃないんだぞ? カイリ助けに行くんだろ?」
子どもの人間たち、洞窟の入り口で、モタモタしてる。そのうち、大きい子どもの人間だけ、ズンズンと奥に入ってきた。
「ガ、ガルシア! 早いよ、待ってよー!」
「待たない! ついてこれるやつだけついてこい!」
……あれ。他の子たち、外に出ちゃった。
「ムリー!」
「あっ! 何出てきてんだよぉ、お前らー」
「だってガルシア、暗くて怖いのに歩くの早いんだもん!」
「バカ! みんな出てきたらガルシア1人になっちゃうだろ!」
「じゃあお前行けよー!」
「それはムリ」
「だろー?」
大きい子どもの人間、本当に、歩くの、早い。大人の人間でも、歩くの、もっとゆっくり。木の棒持って、振り回しながら、ズンズン。
ドゥーガ、泣いてた子どもの人間、手のひらにのせてるから、歩くの、ゆっくり。
森に出る出口に行く前に、ドゥーガ、追いつかれた。
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