[通常モード] [URL送信]

『魔王に就職』
仲良しのチュー《1》
 
 ああもう、目に入れても痛くない!って言葉作った人すごい。
 日に日に成長していく我らがプリティーエンジェル・アルは、それはそれはすこぶる愛らしくて、本当、目に入れても痛くない。……いや、マジで入れたら多分痛いけど。
 でも、可愛すぎて可愛すぎて、頬ずりして、モギューってして、それでも足りなくて、もういっそ目の中にでも入れてしまいたくなるんだ。

「アルゥ〜可愛い〜〜っっ」

「マーマー、かぅいーっ」

「んー、ノンノン。ママは可愛くないよ、アルが可愛いんだよ〜」

「アゥあ、かぅいーのよ〜?」

「そうそう、おりこうさん! 大好きー」

「おぃこたん! ないちゅきー」

 ぐはっ、堪らん。我慢できん。チューしたい!! チューする!!

 ブチュー。

 うりゃうりゃ、アルの可愛いふわふわほっぺに、チュッチュしちゃうぞ。

「きゃあー! くちゅったーい!」

 きゅーっと首をすくめて、両手のグーを猫の真似をするように顔の側に持っていく。最近アルをくすぐったりほっぺチューしたりすると、よくこのポーズをとる。アルなりの「くすぐったいから降参!」のポーズらしい。
 きゃわゆい。いつもこれを見るためにわざとコチョコチョしちゃったりねー。
 
 もはや俺の息子であるアルは、小魔物ちゃんたちの保育のおかげですくすくと育ち、こないだハイハイができるようになったと思っていたら、なんともうヨチヨチあんよが上手にできるのです。おしゃべりも日に日に達者になってきていて、今は特に俺やナウラスの言うことを真似っこするのが大好き。たまに小魔物の鳴き声を真似してたりするのも超可愛い。俺は毎日とろけっぱなしである。
 あんまりベタベタ甘々でアルと遊んでいるので、たまにナウラスにやり過ぎだと引き離されることもある。……俺にはただアルを可愛いと思って愛してほしい、って言ったのナウラスのくせにさー。

「マーマもくちゅたいちゅるー」

 ちゅっ。

 おっ!

 ちゅっちゅっ、ちゅっ!

 アルからほっぺちゅーの仕返しだ! 幸せ〜!

「うひゃーくすぐったーい! やったなーアルぅ」

「きゃー」

 顔中にチュッチュッして、勢い余って小さな唇にもちゅー。
 はっはっはー。アルのファーストキス、ゲットだぜ!

「ふあ……、おくち、くちゅたい……」

 おお……初めてのキッスにアルがビックリして目をパチパチしてる。ゴメン。てへっ。

「今のは、ママがアル大好きだよーっていうしるしだよ」

「ないちゅきよー、?」

「うん、アルとママの仲良しのチュー」

 ……若いパパとかはやるよな。自分の娘や息子とも平気で、チュー。今までそういうの見て、物心つかないうちにファーストキスを奪われる子ども(特に娘)に同情してたけど、実際自分が親になったら(厳密には違いますが)パパの気持ちすっげー解る。これはチューせずにはいられない。むしろパクッて食べてしまいたいくらいだし。

[次へ#]

1/6ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!