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『魔王に就職』
ハッピーバース!《3》
 
「ピッ!」
「ピッ!」
「ピッ!」

 3匹決まったらしい。
 俺の前に整列して敬礼した3匹を、早速応接間に連れていく。

・・・・

「えーと、あの子が今日着る衣装を探すのを手伝ってほしいんだけど……」

 応接間で、小魔物たちに作業の説明。

「とりあえず、まずは翼出す穴があるものをこっちに分けようか。それからサイズを探して、その中から、どれがいいか選ぼう!」

 箱の中から、使えそうなものとそうでないものを仕分け作業する。一応全部子ども用なのか小さい服ばかりで、そのくせ大人顔負けの豪華な装飾を凝らしたものや、魔王らしいおどろおどろしい衣装で、何だか可愛いんだか微妙なんだか解らない感じだ。
 単純作業は機械的に、みんな黙々とこなし、あっという間に、使えそうな服の山と使えない服の山ができた。

「さーて、あとはデザインか……」

 しかし、魔王服だけあって、あまり明るい可愛らしい感じのものはない。俺は小さい子には明るい色の服の方が好きなのに。
 散々悩んだあげく、着心地も考慮しつつ、黒とか紫といった、地味目な衣装の中から、まぁこれならまだマシかな、と思えた、シルバーの糸で襟元や袖や裾に刺繍が施された、深い藍色の小さなローブを選んでみた。……渋いベビー服だこと。

 小魔物たちも、これがいいということで賛成してくれたので(俺の意見に反対する、という選択肢がないのかもしれないが)、出したその他の魔王服をまたみんなで片付けた。
 途中で、小魔物たちに魔王服の山から何着か着せてファッションショーごっこをして遊ぼうとしたけれど、物凄い勢いで遠慮されたので、断念した。

「お手伝いありがとう! じゃ、パーティーの前にあの子にこれ着せておいてね〜、よろしく」

 手伝ってくれた小魔物たちに、選んだ衣装を渡す。お礼にそれぞれ頭を撫でてやって、赤ちゃんの寝ている部屋へ帰した。

 3匹はやっと解放されたからか、ペコペコお辞儀をした後、キィキィ!ピィピィ! と嬉しそうに跳びはねながら応接間を出ていった。

「かわゆいなぁ」

 毎日、健気な小魔物たちに癒される俺であった。

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