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碧い思い出
amour secret4*コントロール不可能
「お、」
「忍足っ!!」
ぐったりと俺に寄りかかる形で
意識を無くしてしまったお前は
こんな夏の昼下がりなのに
顔が真っ青で。
「ちょ、しっかりしろ!」
早鐘を打つ心臓。不安に蝕まれる心。
最悪の想像が頭をよぎる。
「っ・・・!
 医務室!連れてかねぇとっ!」
こんな性格俺じゃない。
誰かのために熱くなったことなんか。
姫抱きにしたお前を見た向日たちは
寄ってきて何か喋ってたけど
そんなことどうでもいい。
学園の中を走っている間
くだらねぇ女どもは騒いでいたけど
イメージ崩れようがなんだろうが
学園内の俺というイメージよりなにより
大切なのはそう、お前だから。
















「・・・ひどい貧血ね。
 あとは軽い熱中症。大丈夫。
 寝かせとけば治るから」
「本当・・・です、か?」
はぁ、とまだ荒い呼吸の中でため息をつく。
「あら、あなたはそんなに
 心配性だったかしらねぇ?」
くすくすと笑われて言葉に詰まる。
「あら、もうこんな時間
 悪いけどこれから会議だから
 忍足君目覚めたら
 鍵閉めて職員室に持ってきてくれる?」
「あ、はい」
「じゃぁよろしくねー」
受け渡された鍵。遠ざかる足音。
意味も無く、ドアを閉める。
振り向くと俺の愛しいお前はベットで。
すやすやと寝息を立てながら寝てた。
「ったく、あんま心配かけさせんなよ・・・」
頼むぜ?とさらさらした頭をなでてやる。
「ん・・・」
楽しい夢でも見てるのか、口元に浮かぶ笑み。
こっちの気もしらねぇで・・・
「ばーか、
 ・・・俺様の夢ぐらい見とけってーの」
「・・・ん、う・・・・
 ・・・・・・あとべ・・・」
「っ・・・誘ってんのかよ」

誰もいないはずの部屋を見回す。
そして



ちゅ





「っは、コレで
お前のファーストキ「んー・・・?跡部?」
「おわあっ!」
「な、なに叫んどるん?
 てか、ココ医務室やん
 どおしたん、どっか怪我したん?!」
「あーん?
 てめェがぶっ倒れたから
 心優しい俺様がここまで「跡部が?!」
「・・・俺じゃダメってか?あーん?」
「いやいや、そうやなくて!
 ・・・・・重かったやろ、俺・・・・」
「っ、べ、つに?むしろ軽すぎるくらいだったぜ」
今の、セリフヤべェ・・・・っ
軽く襲えそうなぐらいのショックが・・・!
「とりあえず
 ありがとな、跡部」
「気にすんなっつーの
 つーかもっと食えよ
 だからぶっ倒れんじゃねーか」
「ぅ、だって野菜キライやもん・・・
 あー跡部んちの夕食にでた野菜は美味しかったで?
 おれ跡部んち住みたいわーホンマに」
「じゃぁ、今日泊めてやるよ
 てめぇ1人じゃ危なっかしすぎるぜ」
「まじでー?!
 ありがと、跡部ー」
その笑顔が、俺だけのものになればいい。
そんな気持ちはいつから制御不可能になったのか。








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あきゅろす。
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