フラベル
その顔は自分にだけ向いていればいい★
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少しだけ性描写があります!
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朝、おかまな先輩が朝食を作っている時。
「ちょ、止めろって…!」
「ベルが隠してんのは分かってんだっ!」
ミーが毎朝朝食を食べる部屋の扉を開くと、ベル先輩がアホのロン毛隊長に組み敷かれていました。
「…―ッ!カエル!こいつ退けて!」
「俺の万年筆返せ!!!」
「だーから、俺じゃねーって」
「あれはあのクソボスが気に入ってるヤツなんだ!!無くしたらこの屋敷壊れるだろうがッ!!!」
いつの間にかミーの存在を無視して、また言い合いを始めた。
馬鹿馬鹿しい。
***
昼、気まぐれで外に出てみた。
「おい、本当にこんなので十代目が喜ぶんだろーな?」
「何?王子を疑ってんの?本当、十年前と変わってないっつーか……、馬鹿だな。」
「…―ッな!?」
今度はボンゴレの嵐の守護者ですか。
話の内容はボンゴレのボスの事らしいけど。
「だいたいな、自分の事王子とか言ってる時点で何か信用できねーんだよな、」
「はっ、自称右腕くんには言われたくないね。」
いつもの、
ミーの知ってる先輩とは少し違う。
十年前から何かと接点があり、一度は命を賭けて闘った相手。
十年前…、まだ前任が生きていた時代。
所詮、ミーはベル先輩と出会って数年の付き合い。
「全部、知ってるなんて…。全然、先輩の事知ってないじゃないですか、」
嗚呼、このもやもやはどうしたら晴れる?
***
「カエルー、いるー?」
ガチャ、
「お前何死んだみたいな顔してんの?干からびたカエルみてぇ。」
ベル先輩はミーが突っ伏しているベッドまで来ると、ミーの髪を撫でた。
「今日一日しゃべってねーじゃん…、」
少し顔を赤くして、
そっぽを向いて、
聞こえるか聞こえないかの声で…、
…――ガバッ!
「…――ッ!?」
先輩、好き―…。
***
「……は、ぁ…ッフラン…やめ、」
「ベル先輩、好き。」
「……?ど、した」
「好き好き好き……なのにッ、」
あーもう、格好悪い。
最悪だ。
ベル先輩の前で泣くなんて。
「ベル先輩を知ってるのは、ミーじゃなくて…」
「なに、…言ってんの…?」
先輩が息を整えながら、ミーの頬に触れる。
「10年も一緒にいないッ、全部、全部知りたいのに、知れない…。ミーは所詮、前任の変わ…」
――ちゅ、
ミーの言葉を遮るように、唇に柔らかな、熱い熱を持った先輩の唇が押し当てられた。
「俺は、全部知ってる。フランの事、知ってる。こんな事させたのも、お前が初めて。」
どんどん、ベル先輩はミーの中を先輩で一杯にしていく。
もう、先輩無しじゃ生きていけないくらいに。
「俺の事、1番知ってんのは、悔しいけどフランだよ。」
にこっ、と、いつものどこか得意げな笑みを浮かべる。
「もっと、これからもずっと、ベル先輩の事を知りたい。先輩もミー無しじゃ生きていけないようになるくらい傍にいて、ずっとずっと…、」
ミーの下にいる先輩を力一杯抱きしめた。
「もう、お前無しじゃ生きれねーって。」
ベル先輩の腕が、ミーの背中に回った。
*end*
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