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フラベル
未来

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!注意事項!


両思いですが、シリアスです。

未来編が終わってすぐ辺りの話を想像してみました。


あくまで蜜玲の想像(シリアス系な)ですので、本気にしないで下さいw


ただシリアスなフラベルが書きたかっただ(ry


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好き、すき、スキ、





きっとこんな言葉じゃ先輩を繋ぎとめる事などできない。




そう、もっと…もっと強烈な言葉を…。




もっと、心に突き刺さる様な言葉を………








***




「先輩、嫌いです。」






これがミーの思いついた言葉。






「………は?」





突然の拒絶の言葉に、目の前の先輩は口を開けたまま固まる。






「ですから、ミーはベル先輩の事、大嫌いです。」







もう1度そう告げると、ミーは先輩の部屋を後にした。








***





20XX年、4月。




ミーはもうすぐ此処(ヴァリアー)から居なくなるだろう。










「おいっ、フランー!とっとと任務を終わらせろぉ!」




遠くで、アホのロン毛隊長の馬鹿でかい叫び声が聞こえる。






「うるさいですねー。」




そう口に出してはみるものの、実はそんなにうるさく聞こえない。






最近、声が聞こえなくなって来ている。








「フランー、ちょっと手伝ってぇ〜」




オカマな先輩は、ミーに夕食の味見をさせる。






「すごく美味しいですよ。どろっどろの歪んだ愛情らしき物が篭っていて。」


「んもぉー!本当っ、フランは毒舌なんだからぁっ」







それもそのはず。


だって、まったく舌に味を感じないのだから。









「………カエル、嫌いってどう言う事だよ。」





目の前にベル先輩の姿が急に現れる。



…いや、大分前からそこに居たのかもしれない。







「あぁ、ベル先輩ですかー。」





微かに耳に聞こえる声と、ベル先輩の香りで目の前の人物がベル先輩なんだと分かる。





そう、最近では目も見えなくなって来ていて、人の気配も感じられない…。








「…ベル、先輩…。」




自分よりも少しだけ背の高い先輩の頬に、手を伸ばす。





「……フラン?」





ベル先輩が不思議そうに(たぶん)ミーの顔を見てくる。







「…さよ、な…ら……。」














***





「……んっ!……らんっ!!…」





ベル先輩の焦った声が、微かに耳に届く。






「…おいッ!!フランッ!!!」





「………べ、る…先輩…?」




ミーは精一杯の力を瞼に込めて、目を半分開けた。





「…―ッ!!!フランっ!!なぁ、どうしたんだよッ!?」




ベル先輩の手がミーの肩を揺する。

どうやら、ミーはベル先輩の膝の上で、ベル先輩の腕によって支えられているらしい…。








「……ミー、声っが、聞こえないんで、す……。」



「は…っ?」



ベル先輩が素っ頓狂な声を上げる。








「……味っ、も分からなく、て……目も、見えない…。人の気配、も…感じられない……。」





自分の頬を、温かい何かが伝う。





「……ベル、せん…ぱ、い…?」





朦朧とする意識の中で、正面にあるベル先輩の顔を見た。





「………ッ…なん、で…、そんなっ…!!」





ベル先輩が悲痛な声を上げながら、ぼたぼたと涙をミーの顔に降らせる。






「……っだ…、嫌だッ!嫌だ嫌だ嫌だッッ!!!!」





ベル先輩がミーの体を抱き上げる。






「……―ッだ…、いやだ…。もう、1人ぼっちなんて…嫌だ…っ…」





ベル先輩、ミーはこの日が来るって、分かってましたよ?






「……べ、る…せんぱ…っ、嫌い…、だいっ、きらぃ……。」





背中に触れていたベル先輩の手の温もりが、段々薄れていく。





「…フランっ!?おいっ!?…待って!!!フランッ!!!」




ミーの体が、すうっ…と薄れていく…。









「………せ、ぱい…ッ、……やっぱ、り……だ、ぃ、す………き………。」












***










ボンゴレがミルフィオーレを倒した時、





否、もっと前…


ミーがヴァリアーに入ってベル先輩と出合った時から、いつか近いうちに此処から消えると思っていた。



だって、ミーは前任の「代わり」でしかないのだから…。





未来が変わって、前任がそのまま生きていて、ベル先輩が変わらず笑っていて……。




そうなれば、ミーの存在はヴァリアーから消える。


元々無かったことの様に、記憶の中から消えてしまうのだろう…。





それならば最後に、
ベル先輩にだけでも、自分の記憶を残しておきたかった。




「好き」なんてありきたりの言葉なんかよりも、もっともっと心に刻み込まれる様な言葉…。








「先輩、嫌いです。」








けれど、それも意味を無くしてしまった。








「………せ、ぱい…ッ、……やっぱ、り……だ、ぃ、す………き………。」







ミーには、嘘であっても、自分を覚えていてもらえるかも知れない言葉であったとしても、ベル先輩に「嫌い」なんて言えない。





きっと、ミーはただの臆病者なのだろう。





でも、もしそうだとしても、ミーが最後に伝えたかった言葉…。










「ベル先輩の事が、何よりも1番、大好きでした。」









*end*








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