雲綱
試してみたくなりました
突発短編(´Д`)!!
新婚雲綱ネタ←
----------------
「雲雀さん、」
会社から帰ってきた雲雀さんを玄関まで出迎えるのが、ここ最近の俺の役目。
「ただいま。綱吉。」
そう言って、今日もいつものように出迎えた俺の頭を撫でてくれる。
そして次は唇にお帰りなさいのキス………………
「雲雀さんッ!!!」
「……、………何?」
俺が雲雀さんとこの家で暮らすようになってから、お帰りなさいのキスを拒んだ事が無かったからか、一瞬驚いた顔を見せたが、またすぐにいつもの無表情に戻った。
…否、お帰りなさいのキスを拒んだから、少しだけ不機嫌…?
「いやいやいや!今日はそんな事を考えてる場合じゃないっ!」
「………綱吉?」
首を何度か振り、バッと幾分か上にある雲雀さんの顔を見上げる。
「雲雀さん…これ、スーツのポケットに入ってたんですけど…」
そう言って今まで右手に握っていた、ピンク色の星型のピアスを差し出した。
「……俺、雲雀さんを、信じてたのに…っ…、」
***
『夫が浮気しているかをチェックしてみましょう!』
いつものように夕飯を作って(少し焦げた肉じゃが…みたいな煮物?)、雲雀さんの帰りを待つ間適当に時間を潰そうとテレビをつけた。
『昨日着ていたスーツに入っていた、と言ってピアスなどを夫に差し出してみましょう。変に同様すれば、浮気している可能性大です!』
浮気…
つい耳にしたその言葉の意味を考えてしまう。
「俺は雲雀さんが好きで、だからこうやって一緒に住むことにした。」
一緒に住もう。
そう言い出したのは雲雀さん。
けれど、こうやって一緒に住んでみて、初めて分かる相手の真実もある。
例えば、雲雀さんは風呂上がりに必ず麦茶を飲む。
帰ってきた時には、玄関まで迎えに来てほしいらしい。エプロンを着けて。
一緒に住むということは、相手と共にいる時間が長くなるということ。
そうなれば必然的に相手の悪い一面も見えてしまうわけで…。
「俺なんて料理も洗濯もなかなか上手くこなせないし、悪い面ばかり知られちゃった…」
もしこれで雲雀さんに飽きられていたら?
もう我慢の限界が来ていたら?
テレビの番組が変わり、時計の針が9時を指す。
雲雀さんの帰りがいつもより遅い。
いや、いつもなら「今日は忙しいのかな」と流せるところだ。
あの人の仕事内容は日によってバラバラだから。
けれど今日は……
「…雲雀さんが、俺に愛想を尽かして浮気してたらどうしようっ!!」
***
「…俺たち、もう、終わ………んんッ!?」
ピアスを差し出していた右手を戻し、視線を逸らそうとした瞬間、雲雀さんにすごい力で抱き寄せられて、勢いよくキスをされた。
「……っぷはぁ…!」
久しぶりの若干酸欠状態。
あ、懐かしいな。
雲雀さんと付き合いたての頃はキスをする度に酸欠になりかけたっけ…。
「僕は君を手放さないから。」
「へっ…?」
大きく息を胸一杯吸っていたら、唐突に雲雀さんが口を開いた。
「綱吉は何か勘違いをしているみたいだけど、僕は綱吉以外の人間となんて、極力係わり合いたくないんだ。」
声も目も、真剣そのもので、ついその声と目に吸い寄せられてしまいそうになる。
「仕事だって、綱吉とこうやって暮らすためだけに行ってるんだ。」
「……え?」
「それ以外の目的で、なんで綱吉の傍からこんなにも離れていなくちゃいけないの?」
「……ええ!?」
「本当は片時も、トイレに行く時間だって惜しいくらいなのに。」
「……ッ!?!?」
――――ギュッ
「そんな飾り知らない。僕は綱吉しか愛せないんだ。」
より一層強く抱きしめられ、最後にはそう耳元で囁かれました。
***
「テレビ局に乗り込んで来るよ。」
「ちょっ!雲雀さん!落ち着いて!早まらないで!」
後日、テレビを見て不安になった事を全て話し謝ると、雲雀さんはコート片手に家を飛び出そうとしたので、ここ一年分くらいの力を使って、俺はそれを止めました。
浮気を疑った罰だと思います。
*end*
[次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!