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雲綱

―日曜日…



「ひっ、雲雀さん!!ごめんなさいっ!!」

「…遅い」



そう、今日はついに雲雀さんとの初デートの日なのだ。



「…おっ、怒ってますか…?」



俺は恐る恐る10分待たせてしまった雲雀さんの顔を覗く。



「…怒るわけないでしょ?君の顔見たら怒れなくなった」

「…―っ///!?」



雲雀さんと付き合いだしてから分かった事がたくさんある。

例えば、今のように恥ずかしくて言えないようなことを簡単に言ってしまうところだ。



「さ、行こう?」

「あっ!は、はいっ!」









―15分後…



「先にお昼食べようか」

「そうですね……えと、雲雀さんは何食べたいですか?」

「綱吉が食べたいもの」

「えっ!?…俺はー…」



ふと、横を向いた所にTVに出ていたパスタの人気店があった。



「(…おいしそー…でも雲雀さん、パスタとか好きかなぁ?)」



「あそこにしようか」

「…えっ!?」



そう言うと雲雀さんは俺の手を引いて、パスタの店へと入っていった。





***



「雲雀さん…本当にここでよかったんですか?」

「何で?」

「えっ…!?…だって雲雀さん、いつもこう言う物食べてないし…」


そう、雲雀さんは普段和食中心で、パスタなどの洋食などはほとんど食べているところを見たことが無い。






「…綱吉、ここ入りたかったでしょ?」



ひ、雲雀さん!!!!
その笑顔は卑怯ですっ///!!!



「…っはい…でもっ…」



「ご注文はお決まりですか?」



丁度そこへアルバイトかな…?
白いエプロンをつけた女の人が注文を聞きにやってきた。



「きのこのクリームパスタ」

「…!?お、俺はトマトのチーズパスタで…」

「かしこまりましたー☆」



雲雀さん、本当に良かったのかな…




***


「お待たせいたしましたー☆」

「あっありがとうございますっ!」



そんな事を考えているうちに注文したパスタが、テーブルへ運ばれてきた。



「以上でおそろいですね?」

「はいっ!」


さっきと同じ人だ。
綺麗な人だな…



「綱吉、誰見てるの?」

「―っ!?」

雲雀さんの顔色が曇る。



「(お、俺馬鹿だ…!せっかくのデートなのに、何見とれてるんだよっ!)」



雲雀さんが顔色を曇らせたまま無言で運ばれてきたパスタに手をつける。


…どうしよう。
目をあわせようともしてくれない。





「…ひっ、ひば…り……さぁ…っ……」



涙がでそうになって、必死でばれないように隠す。



「…何で泣くの?」

「……っ…」



―くしゃっ



「…っ!?」

必死で涙をこらえる俺の髪を細くて長い指がなでる。



「もう怒ってないから」



そう笑いかえる雲雀さんの笑顔を見て、体の中から温かいものが溢れてきた。



「―っ…ひば、りっさぁ…」


俺、かっこ悪っ…

そう思うのだが、1度溢れ出した涙は簡単には止まってくれない。





「人が見てるよ?僕以外に泣き顔なんてみせたら…咬み殺すよ?」


いつもならびくっと震えてしまう言葉だが、今日の雲雀さんの顔には、笑顔が滲んでいた。




「…///は、ぃ///」



この少しの昼食の時間だけで、もっともっと雲雀さんを好きになった気がする…。

どうしよう…
俺、雲雀さんのことが…


めちゃくちゃ好きみたいだ。






―昼食後…



「綱吉、あれ何?」



俺と雲雀さんはパスタを食べた後 、適当に他の店を周っていた。

そしてゲームセンターに行き着いたのだ。



「あっ!あれは、UFOキャッチャーですよっ」

「ふーん…どうやってやるの?」



雲雀さんはゲームセンターに遊びで来た事は無いらしく、UFOキャッチャーもやった事がないらしい。



「お金を入れて、ボタンで操作するだけですよ」

「ふーん…やってみる」



***



―ボトッ!



「ひっ、雲雀さんすごいっ!!」



雲雀さんは、お金を入れてから真剣な顔つきになり、獲物を狙う肉食動物のように人形を見て、意図も簡単にキャッチした。



「綱吉にあげる」

「…えっ!?でも…悪いですよ、せっかく雲雀さんが取ったんだし…」

「僕にその人形を持たせるつもり?」



ひばりさんの取った人形は、クリーム色をしたふわふわの熊だった。



「…それは…」

「それに、綱吉の方が似合うし」

「それはどう意味ですか…」



結局熊の人形は俺が貰う事になった。

中学生にもなって熊の人形と言うのはどうかと思ったが、雲雀さんが取ってくれた物だと思うと不思議と愛しくなる。



「……雲雀さんパワーだ…」

「何?」

「な、何でもありませんっ///」







―…それから俺達は本屋や服屋を回り、6時を過ぎたから帰ることになった。








「雲雀さん、今日はいろいろありがとうございましたっ!すごく楽しかったです!」



本当に今日は時間があっという間に過ぎて行った。







「綱吉、これ…」

「えっ…」





―ふわっ…!



「綱吉最近寒そうだったし…」



そう言って雲雀さんは俺の首にグレーのマフラーを巻いてくれた。



「これ…」

「あげる。今日此処に来たのも、これ買うためでもあったし」

「雲雀さん…」



いつこのマフラーを買ったんだろう?

やっぱり雲雀さんはすごい。



ていうか、すごく嬉しい…///



「雲雀さんが、俺のために…」



嬉しくて、つい口に出してしまったその言葉に気づいた頃にはもう遅い。








「綱吉、早く帰ってもっと温まる事しようか?」

俺の顔の上の雲雀さんの目が光る。



「…ひっ雲雀さん!目が怖いです!」




あ…!

この目は人形を狙っていた時の目と一緒だっ!




…きっと今日は家に帰れないだろう…。





*end*

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 あとがき

…以上です!\(^o^)/

雲雀さんはツナの事を溺愛してればいいとおもう☆←何

それで毎日ツナのことで頭いっぱいになればいいと思う(^q^)!

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