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8.授業
「あ〜眠ぃ…」

アラームが鳴り響くなか止めてうーんと唸ると布団から起きる。
今日から授業が始まるんだったと思いジャージを脱いだ。
赤のネクタイとローブを見ると嫌気がさしたが今更スリザリンには行けないのであーもうと思った。色的には緑か青が良かったなー。

転校生だからかダンブルドアが気を利かせたのかオレの部屋は1人部屋だった。
これは本当ありがたかった。こんな姿見せるのも嫌だしルームメイトいるとかマジで無理だから。
(施設じゃ2人部屋だったが)

医務室に行って薬と包帯を交換しに行ってから教室へ向かった。場所は夏休み中にばっちり把握済みだ。
薬草学、数占いを受けた後(占い学は取らなかった)、午後からは飛行術だった。

昼を食べてると茶髪が話しかけてきた。

「やぁ」

少し微笑んでいるそいつに悪戯仕掛人の中にいたな、とコーヒーを継ぎ足した。イギリスなのにコーヒーも一応あるんだな。

「何か用?」

「ううん。用はないけど君と話したくって」

隣良い?と聞きながらもちゃっかり座ってる時点で返事聞く気ないだろと思いながらコーヒーを飲んだ。

「まだ名前言ってなかったよね?僕リーマス・ルーピン」

リーマス・ルーピン
未来でハリー達に闇の魔術に対する防衛術の教鞭を取る人物。
オレはハリポタの関係者と付き合う気はなかった。
…いや、ダンブルドアと関わった時から絶対に関わることがあるのはわかっていた。
闇の勢力に対抗するなら嫌でも接触することになるんだ。
オレが闇に堕ちれば話は変わるが。
ちなみに闇に堕ちる気は全くない。俺様誰様帝王様の下になんか誰が就くか。
オレは誰の下にも就かない。それがダンブルドアでもだ。


「あのでかいのと眼鏡と金髪とは一緒じゃねーのか?」

「シリウスとジェームズは昨日の罰則をしてるよ。昨日はごめんね?シリウスすごい反省してたよ。今日マクゴナガルから手紙が来たんだ、ピーターは占い学で水晶玉落としちゃって今部屋の片付けしてるよ」

昨日のこと、とはイエロー発言だろう。

「皆と違う奴が居ればそれだけ批判や差別もされるだろ」

ましてや日本なんてアジアでも隣国が同じ大陸内にない東の島国だからな。とコーヒーを飲む。

「すごい考えだね、差別されるってわかってたの?」

「まぁな。人間ってーのは異端の者を排除するからな。まぁそれは魚や動物にも言えることだけど」

その言葉にルーピンは黙る。ルーピンにこの言葉はなかったかなと内心思ったが言ってしまったのは仕方がない。

「ま、そんな事気になんかしねーよ。差別するなら差別しろって感じ?
なっちまったもんは仕方ない。誰も自分で好きで選んだわけじゃねーし。
受け入れてくれる奴は受け入れてくれる。そういう物だろ?」

「うん、そうだね。狩野はすごいね!」

笑顔になったルーピンを見て「フツーだろ」と返した。

サンドイッチを食べ終わるとジェームズとシリウスが入ってくるのが見えた。
席を立とうとするとルーピンが驚いた声を上げる。

「え、狩野もう行くの!?朝も居なかったし今サンドイッチ1つしか食べてないじゃない!」

「…そんだけ食べたら大丈夫だ」

育ち盛りの奴が言う台詞じゃないだろと我ながら無茶な言い訳だと思いながら大広間を後にした。

「リーマス!待たせたね、今狩野と話してた?」

「ジェームズ、うん。狩野と話してたよ。
少ししか話せなかったけど」

「何話してたんだ?」

シリウスは僕の隣に座ってチキンを噛り付いていた。時間がないのでジェームズも急いで食べている。

「シリウスが昨日言ったこと。」

「ゴホッ!!」

「うわ!シリウス汚いな!!」

向側に座っていたジェームズはシリウスの被害を受けていた。隣に座ってて良かったって思いながらシリウスにかぼちゃジュースを渡す。

「なんか言ってたか?」

「何も。自分は日本人だから差別されるのはわかってたって言ってた」

「…おぅ」

「そんな顔しなくても狩野は気にしてないって言ってたよ」

リーマスの一言を聞くとシリウスはハァーとため息を吐いた。

差別されても受け入れてくれる奴は受け入れてくれる、と言われて救われた気がした。
確かに僕はジェームズとシリウス、ピーターに人狼であることを受け入れてもらった。

「(そんな強い君が羨ましいよ)もう行こう、遅刻しちゃうよ」

3人が大広間に出た時にピーターが廊下から走ってきた。

「ジェ、ジェームズ!!」

「ピーター、残念だけど昼は食べられそうにないね」

「えぇっそんな!!」

「ほら行くぞ!!」

ピーターは昼を食べそこねたのがショックだったのかうなだれながら外に向かって行った。

「(そういえば狩野全然ご飯食べてなかったな…)」






「みなさんこんにちは!!」
「こんにちはフーチ先生!」

白髪に鷹みたいな黄色い目をした女の人がキビキビしながらやってきた。
この人マクゴナガル並に強い人っぽいよなー。

「さぁ皆さん箒に跨がって下さい!!Mr.狩野、貴方の事はマクゴナガル先生に聞いています。こちらへ来て下さい」


周りがザワついたがオレの睨みとフーチによる掛け声で皆は箒に乗った。
「あーいいなーオレも空飛びてーなー」

やることがないのでぼーっと下から空を見上げた。
魔法使いにはやっぱり箒だよなーで黒猫と一緒に荷物運んだり…ってどこの映画だ。
小さな頃ーはかーみさまがいてー所々曖昧だが主題歌のメロディーが頭の中に自然と流れてくる。
空飛んだら楽しいんだろーなー。急降下したりする時ってジェットコースターみたいな感覚なんだろうか。この時間は眠気との戦いだなと欠伸をした。


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