10.森の番人
飛行術が終わると今日の授業はもうないので(なんか大学の授業みたいだな)オレはハグリッドに会いに行った。
どうやらオレのことを一番始めに見つけてくれたのがハグリッドらしい。
助けてくれたのにまだ1回もハグリッドに会ってなかったし礼もしていなかった。
コンコン、とでかい扉をノックしながらハグリッドの名前を呼んだ。
「ハグリッド、いるか?」
扉の向こうで犬の鳴く声がするとガチャンと扉が開いた。
「へいへい、どちらさん――慧!!」
ハグリッドはすごい驚いた顔をして目が飛び出しそうだった。
ってかハグリッドでけーなオイ。
いきなり目の前が暗くなるとハグリッドに抱きしめられていた。やっぱ外国ってハグすんのな。
「ハグリッド、傷口開く…」
「おぉ!すまんすまん!!さ、入れ入れ!!」
部屋に案内されると紅茶を入れてくれた。
マグカップが1.5倍ぐらいでかい。
「ハグリッド、あんたがオレのこと見つけてくれたんだって?ありがとな。ハグリッドのおかげで命拾いした」
お礼言いにくるの遅くなって悪かったと言えば彼はとんでもねぇと言った。
「お前さんを見つけたときは本当に驚いたぞ。あんな大怪我して、始めお前さんが死んでると思った。助かって良かったなぁ」
うぉーんと泣き出してしまって泣くなよと肩を叩いた。
「動けるようになったとはいえお前さんちぃと顔色悪すぎやせんか?」
「…顔色悪い?」
「あぁ」
紅茶を飲むと体が暖かくなった。日本と違ってイギリスの9月は結構寒い。
「情けねぇがまだ本調子じゃないんだ。ここに来てから今日初めて結構動いたからな、ちょっと疲れた」
マクゴナガルに身体が完全に治るまで箒には絶対に乗せないって言われたからさっきの授業はずっと見学してたけど、と紅茶と一緒に出されたクッキーを食べた。結構うまい。
クゥンと甘えた様な声を出しながらファングがオレの横に座った。
「実はファングがお前さんのことを1番に見つけたんだぞ」
「マジで?ファング、ありがとなー」
頭を撫でれば気持ち良さそうに目を閉じた。
こいつかわいい。
ペットは飼ったことないけど犬とか飼ったらかわいいんだろうなー犬って忠犬だし。
オレは梟は飼わなかった。責任を持ってペットの世話なんてできねぇし、手紙も渡す相手ももらう相手もいないしな。
「箒は身体が治ったら嫌になるまで乗れるさ」
「あぁ、まだ当分先の話だけどな」
しばらく話をしていたがハグリッドにもうすぐで夕食が始まるぞと言われハグリッドの小屋から出た。
「紅茶うまかったよ。じゃあまた」
最後にファングの頭を思う存分撫でて寮に戻った。
「ハグリッド!」
「ジェームズ、お前らどうした?もうすぐ夕食だぞ」
「今狩野と話してた!?」
「おぉ、話しちょったが」
詰め寄るジェームズ達悪戯仕掛人に驚きながら答えた。
「何を話してたんだ?」
「何をって…別にただの世間話だが?何だ慧に用でもあったか?」
「うん、ちょっとね。ハグリッドって狩野と仲良いの?知り合い?」
「あーうん、まぁそんなもんだ」
歯切れの悪い返事に4人は疑問を持った。
「へー少なからずハグリッドは狩野の事知ってるんだ。じゃあ狩野が何で箒に乗らないのかとか知ってるかい?」
「そりゃー慧は…って言わんぞ!」
「まさかスクイブなの?」
ピーターがまさかと思いながら聞いた。
「スクイブ?慧はちゃんとした魔法使いだぞ」
「そうだよピーター、初めて会った時も彼は普通に魔法を使ってたじゃない」
リーマスはピーターもあの場所にいたでしょと呆れた声を出した。
それを思い出してあぁ、と狩野がスクイブかも知れないという疑問は消えていった。
「教えてくれよハグリッド!」
シリウスは頼みこむがハグリッドからの返事はNOだった。
「慧の事はダンブルドアにも口止めされてんだ。俺の口からは言えねぇ。
お前らも知られたくないことぐらい1つや2つぐらいあるだろ?」
ハグリッドはリーマスの方を向いて言うとリーマスは黙った。
「さ、早く夕食食べに行けや」
ハグリッドに手を振られて城に向かった。
今度こそ大広間に慧・狩野がいるから話すことができるとグリフィンドールの席に向かった。
「またいねぇし!!」
シリウスの叫んだ声が大広間にこだました。
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