僕の灯を君に、十六夜。 第二夜∞冷たい朝 夏冷えするAM4:00 頬に当たる冷たい風を受けながら歩く、 コンビニの帰り道。 どーでもいい事がどーでも良くないような。 どーでもいいけど、なんかしっくり来ない感じ。 本当はどーでもいいんだけど…。 温かな缶コーヒーを買った。 一気に飲み干す。 冷たい頬がほんの少し火照る。 彼女はついさっき出て行った。 泣きながら出て行った。 ベッドの上でも、白いシーツに包まって泣いていた。 安全ピンで留まっていた、僕らの関係。 どーでもいいんだ。本当は。 どーでもどーでも。どーにでも。 安全ピンが外れた僕らは あの細い針先のように。 胸にちくちくと針を刺し合っている。 お互いを血で染め上げて。 どーでもいいんだけどさ。 おわっちゃったしな。 チクッ。 そしてまた、小さな針が刺さる。 そうやって僕はどこまで行くのだろう。 この肉の塊が、すべて針で刺した穴だらけになって。 ピアスのように刺さったままなのかも知れないけど。 抜き取る時に、痛みはあるのだろうか…? 冷たい朝、冷めた距離。 冷たい朝、冷めた空間。 冷たい朝、刺さった針。 冷たい朝、塞がらない穴。 どーでもいいんだ。どーでも? どーでも…。 どーでもいいけど、後で電話でもしてみっか。 [*←][→#] [戻る] |