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〜宛メメント
DOLLS
裏通りにある小さなプールバー「DOLLS」でバイトを始めたのは、1ヶ月前程だ。

店の中はあたしの好きなピンクや紫のエロティックな照明で彩られており、
壁は一面真っ黒で、所々に怪しげな白のタトゥーが貼ってあった。

DOLLSという店の名に因んでなのか、バーテンは皆女だ。

それも可愛らしいフリフリのドール服を着ているので、ロリ趣味の客に人気なのだろう。

奥にあるビリヤード台は、この店の中であたしが最も好きなモノ。
別にビリヤードはしないけど、見てるだけで何か落着くものがある。


それはきっと、
こんな場違いな所に置かれた運命に同情しているのかも知れないけれど。
何も言わず、只そこに平然と存在する…
あたしに少し似ている。


クレドに初めて会ったあの日、
あのランパブもこんな感じだったよね。
あたしは大嫌いだったけど…


結局また、似たような店で働いて居る。
それは詰まる所、君を探しているんじゃないかと思う時があるよ…


情けないよね。
あたしらしくないわ。



「サチコ、この後空いてるの?」


未だ客の居ないカウンターテーブルの隅で、小声で話し掛けられた。

名前をミユウといって、多分同い年であろうその女はやけにあたしに絡んで来る。

面倒と思いながらも、一応、振り返ると、
ミユウは蛇のような化粧をした目を、キッと睨み付けながらこちらを見て居た。


はっきり言って、あたしはこの女が嫌い。

それは、あたしがこの店で「サチコ」という源氏名になっている原因も含めて、訳あっての事だけど…



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あきゅろす。
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