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〜宛メメント
羽根
フザけたクレドの戯言。
思わずはにかんでしまったあたしは、ふと気付かされる。


あたしは…クレドの前だと素直になっている?
チョビコで在り続けようと必死にもがくあたし。
思う侭に話してくれるクレド。


あたしは幾つもの翼を持っている。
背中には蝶の羽根。
太股には蜻蛉の羽根。

それらは互いに干渉する事も無く、
ただチョビコがチョビコで在り続ける為、
あたしがあたしで在り続ける為、
あたしがチョビコで在り続ける為、


幾つもの仮面を被る為の、決意表明の証。

チョビコは時には蝶になり、時には蜻蛉になる。
仕事の為ならセックスをする。
金になるなら珍奇な芝居紛いの愛を語る。

蝶か、蜻蛉か、又はもっとグロテスクな紫の蜘蛛かも知れない。


だから…
何もかも無垢なクレドが愛おしいの?
自由に生きるクレドが羨ましいの?


それでも
その距離感が無性に愛しく感じたのは。




「ねえ、
連れてって欲しいトコがあるの。」


いつしか輝く星が空に消えていった。

青と同化する星もまた、
仮面を被っているのだろうか?

それでも美しいなら、きっとシアワセだ。

あたしは醜くも汚れた身体と、
粗悪な思考回路に縛られているんだもの。


ゼファーχの高鳴る音が聴こえる。

心地良い音となったのはきっと、
クレドと一緒に居るからなんだ……。


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