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〜宛メメント
必要
無邪気に笑うクレドを不思議な感覚に捕われながら

火をつけた煙草を見つめ

漂う白煙を見つめ

水面を見つめ

星を見つめ


キラキラ

キラキラ


静かな静寂だけ。

邪魔な物も
邪魔な人間も
何も無い。


クレドとあたし。
水面と星。
煙草と灰。

ただそれだけ在ればいいと思った。

愛なんて無くていい。
邪魔な感情は要らない。

そこにただ存在している物だけで十分だ。


漆黒に重なった、
マシン的ボディーラインのゼファーχのように。


現実も孤独もセックスも
何もかも、きっと必要ない。

ただ無いと不安になるだけ。
肩書きが必要なだけ。


…そう感じさせる景色だった。



「お前の蝶、カッケーな」


ぼぅっとしているあたしを、今し方までまじまじと見ていたのか、
クレドは言い放つ。

ああ、たまには少しの音も必要だ。


「背中の、見えちゃった?
こっちにも有るよ、蜻蛉。」


あたしはフリルのミニスカートをたくし上げ、足を開く。
太股の内側、足の付け根のすぐ下にある蜻蛉の刺青をクレドに見せた。

「スゲーな…
俺はヤキしか無いッスよ♪先輩」


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あきゅろす。
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