〜宛メメント
ネオン
「なんでココ、連れて来たの?」
クレドに倣って目線を合わせないように問い掛ける。
「なんでって…
他に行くトコねーし?
やる事ねーし?
金ねーし?…ダメ?」
「あたしとヤりたいとか思わないの?
一応男でしょ?」
「マジで男だけど思わねーな。
好きじゃなきゃイミ無いし。」
クレドは淡々と喋る。
思っている事をそのまま口にしているかのように迷いも戸惑いも無く。
「そっか…」
目元が潤んでいたのは涙なんかじゃない。
川面にチラチラ光る星とネオンが眩しかっただけ…。
そんな事を考えながら、キャスターマイルドを一本取り出すあたしの姿をクレドはじっと見ていた。
「お前…
案外胸デカイんだなぁ〜」
呆気に取られるあたしを余所に、クレドは遠目で眺める。
つい吹き出しそうになった。
「ただのパットだよ。偽モン。
ヤんないとか言う割にエロいんだね、あんた。」
気を許したのか、口元が笑っていた。
クレドに初めて見せる笑顔。
「なんだよ…営業用ッスか。
がっかりーなんてね」
クレドが見せる初めての笑顔。
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