〜宛メメント
存在意義
この侭
そう、この侭で
あたしは居場所のない「何処か」を出来る限り彷徨い続けて
高鳴る鼓動を響かせたゼファーχに乗って
さっき知り合ったばかりの男のケツに乗って
出来る限り彷徨い続けて…
その後は
一体何処へ行くんだろう…
すがる場所も無いから
行く宛も無いから
頼る相手も居ないから
孤独の渦に引き込まれるしか無いから
愛と言う嘘のセックスでしか存在出来ないから
クレドの凛とした背中
漂ってくるエタニティーの香水の匂い
孤独なバイク
全ての不確定要素があたしの思考回路を締め付ける。
螺旋階段の奥に閉まっておいた、
あたしの捻じ曲がった観念を呼び覚ましている。
いつしか、ゼファーχは高音の唸りを上げて
漆黒の闇に乗じて風の如く走り抜けていた。
あたしは只、クレドの背中に必死でしがみ付くしか、
残された道は無いと思い知るんだ。
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