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〜宛メメント
アフター
宴会場に入ると、そこは異空間とでもいう雰囲気をかもし出して居た。

乱雑にお膳はぶち撒けられ、空になったボトルは山積みになり、
カラオケの大音量だけが孤高に響く人類の最期の雄叫びのように鳴り響いている。

あたしはため息を吐き、ビールを持って客に愛想を振り撒く。


「ねえ、そこの、君さぁ〜…」


不意に背後からの声にビクリとして、振り向くと、
中年のハゲ親父がにんまり微笑んで手招きをして居る。

これで警官というのだから、つい笑える。

「アフター空いてるの?」

あたしには未だアフターは入っていなかったが、
近寄ってくる酔っ払いにしばらくそっぽを向いて焦らしてみせる。

「やっぱり空いてないよね〜、君美人だしぃ」

因みにアフターというのは、この後のお付き合いで酒を飲んだりするアレだが
あたしの場合ほとんどが寝るって意味。

勿論、別料金でごっそり金を巻き上げてやるんだ。


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あきゅろす。
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