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クリスティノーラ
墓標―キリエ―
小高いあの、
丘の上に立つ石の十字架を
何度も涙を流して、私は
あなたを忘れる事叶いません。


夏も終わり、肌寒い季節になってゆくにつれ、
あなたとの思い出も色褪せたこの空の様
刻々と姿を変え
私を蝕む。


キリエ…キーリエ…


エト エクズペクト レズレクティオネム モルトゥオルム
エト ヴィタン ヴェントゥリ セクリ…


十字架に手をあてがって
あなたの冷たい体温を感じます。
鳴らない心臓
震えない脈拍
笑わない瞳孔
けれど


あなたの亡骸が
手招きして居る。


石の墓標を今日も抱いて、私は
あなたを忘れる日がくる事が
一番に怖いのです。
涙を流して許しを乞う罪人の
たった一つの譲れない望みを、叶えたまえ


主よ、
お守りください
私はあなたの手を握ることすら出来ない。
どうか、代わりに手を差し伸べて下さい…


聖なる…聖なる…


死者の蘇りと
来世の生命とを待ち望む…


アーメン…


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あきゅろす。
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