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メタルハート
屋根
りゅあの全身から今までに見た事もない量の氣が放出している。
青い陽炎のようなそれは、ゆらゆらと辺りに飛び火しながらオーラのようにりゅあを包み込む。
りゅあがゆっくりと一歩前進する度、陽炎もくゆらくゆらと漂った。

「りゅあ…っ!!」

只ならぬ雰囲気を感じ取ったのは、先程まで当人を抱き抱えていた葉月。
ふらふらと一歩、また一歩と嵐達の方へ歩み寄るりゅあには葉月の声は届かない様子だ。
その異様さに嵐や維星も気付くと何事かと固唾を飲んだ。
嵐を苦しめているあの女も然り、目を細めて警戒している。

「何の真似?
あなたも私に刃向かうつもり…」

りゅあのマリンブルーの瞳はただ一点だけを捉えていた。
――その女を。

ふと、りゅあが右手を掲げると、青い陽炎はより一層大きく、濃くそれを棚引かせる。
葉月の傍らに置かれていたりゅあの剣、紫流が、共鳴し合うように青く光った!
刹那、紫流はふわっと宙に浮きりゅあの右手に収まる。

――ドクン…
――ドクン…

りゅあと紫流が共鳴する音は、波動のように辺りにまで鳴り響いた。

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