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メタルハート
アルランダ
そんな洋菓子店小泉のティラミスは、どうやら維星のイチ押しらしい。
うーん…甘い物は苦手だけど、食べてみたいかも。

葉月が一人ごちていると、隣で嵐の懐から微かな音が鳴った。
ピピっ…ピピっ…

葉月にしてみれば今まで聞いた事の無い、機械的な音。
嵐が音源である小さな箱型の物を懐から取り出し、指先で操作する。
箱型がピッという音を鳴らした後、嵐は格別無表情に溜め息を吐いた。

「…雷?」
「いや、銀だ。やはりつけられてるな」
「…え??」

ちんぷんかんぷんの葉月に、維星も嵐も顔を見合わせた。
そして小声で補足する。

「…なんかボク達つけられてるみたい。
ヤバい状況らしいからぁ…」
「…走るぞ?遅れんなよ」
「はぁ!?だっ…誰によ…って…」

言いかけた頃には既に走り出していた。
反論したいがそれどころではないらしいので、溜まらず葉月も後を追う。

二人とも、凄く速い。
嵐なんか、りゅあを抱き抱えてるのに…
そうか。さっきの二人の異様な空気はこれ!?
私だけ気付いてないなんて…


夜に輝くネオン街を後目に、ほの暗い路地へと駆け抜けた。

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あきゅろす。
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