メタルハート
アンタレス
「嵐が"エデン"の子達を連れて来るんだよ?
女好きの銀が、らしくないねぇ」
カタカタと規則的なリズムでキーを打ちながら、雷は言った。
「それが厄介って言ってんの。
あいつらはもっと見張るつもりだったんだよ…」
フィルターだけになった煙草を灰皿に押し付け、銀はコーヒーをすすった。
するとまたも煙草を取り出し火を付ける。
どうやらかなり苛ついているようだ。
「まぁ賢明な選択だよ。
彼女が"エデン"から醒めた後、危険だしね」
淡々と話す雷は、キーを打つ手を止めパソコン画面を食い入るように見つめた。
アンタレスの情報部員でブレイン――
幾度も仲間を危機から救ったのは、皆をここでサポートする雷なのだ。
言わば軍師か…
パソコン画面には二人の個人情報が映し出されていた。
剣士りゅあ、木心流格闘家葉月…
二人とも若い女だが武術を使える戦士の類だ。
この国の定める戦士の規定は、まだ甘い所がある。
弱い者が粋がって死ぬケースも少なくはない。
彼女達も経験を積まずに戦地へ行けばそうならないとも限らない。
その為のアンタレスがある訳で…
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