メタルハート
エデン
…どの位時間が経っただろうか。
紫流の言葉と温かな抱擁で、もう心は満たされているのに中々涙が止まらない。
そんなりゅあを黙って抱き締める紫流…
ああ…
紫流は優しい…
剣士としてはまだまだ未熟な私なのに。
これが属性で惹かれ合ったという事…?
思わず自分から紫流の首に手を回し抱き締めていた。
「…紫流、ありがと。
言うのツラかったでしょ?ごめんね…」
ありったけの感謝を込めた言葉だったが、紫流は何もかも解っているという表情で静かに笑った。
「私、強くなるから。
紫流、力を貸してね…」
ぐすん、と顔をくしゃくしゃにしながらごしごし涙を拭う。
そうだ。
もっと強くならなきゃ…私の為に、紫流の為に。
『…俺のりゅあ
俺は何時も、お前の見方だ。
外の世界でもお前を見ている…』
紫流は腕の中からりゅあを解放すると、頬に手を添えて言った。
冷たくて気持ち良い感覚が溢れ出す。
その綺麗な顔は最後まで笑ってた。
やがて青い朧気な光になり紫流が消えていくのと同時に、りゅあの意識も遠退いた…―――
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