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メタルハート
酒場シリウス
「まぁ…君達なら安全だし、お願いするよ。」

ニコッと笑う永遠は、あながち全てわかった風の自信に満ちていた。

嵐は、未だ座り込んだままの葉月に声をかける。

「貴女にも同行して欲しい。
説明不足かもしれないけど…」

確かに。
葉月は訳が解らないでいた。

この人達は何者なの?
エデンって何?
アジトってどこ?

不安で一杯の葉月は、ふと永遠を仰ぎ見た。

永遠は、相変わらずのにっこり顔で笑う。

「行っておいで。
もしかしたら、その'繋がり'が見つかるかもよ?」

この微笑みに何人の女が酔っただろうか。
シリウスが流行っている理由は、大半が女性客だからだと聞く。
皆、永遠目当てで来るのだと。

しかも今、問題にしたいのは当初の目的ではなく、この輩について行って大丈夫なのかという事。
話がズレている。
話をズラして落とすって戦法か?

「…男ばかりだけど維星もいるし、
アジトについたら、全部話すからさ」

少しでも葉月の不安を消すようにと、嵐が言葉をかける。

うん、
人付き合いが達者な永遠が行けって言うんだから、間違いはないか…

「わかったわ。
先ずりゅあを治してからでいいから、ちゃんと説明してよねっ」

長髪をかき上げながら立ち上がり、葉月は嵐に念を押す。

「…じゃあ行こうか。
ほら、維星も。」

まだ渋々とした表情の維星も、嵐には勝てないのか歩き出した。

葉月は振り向き様、永遠にお礼を言おうと口を開く。

「永遠、ありが…」

「いやいや、面白くなってきたよ!
今回は葉月が映画の主役さっ」

……。


永遠のバカっ!


折角お礼を言おうとした葉月は、永遠のキラキラ夢光線に負け、歩き出した。

頑張ってね〜なんて声が聞こえるが、無視無視。

「ねぇ…
あのマスターいつもああなの?」

維星が遠目に永遠を見やり、小声で葉月に問う。

「そうね。
いつも映画バカね。」

「ふーん。変なの」

はあっと溜め息を吐く葉月に、維星も同情してか満場一致。

「こら維星。
年上の人に向かって失礼だろ。」

嵐も笑いを押し殺して維星に"しつけ"する。


こうして、三人と気絶したままのりゅあは、嵐達の"アジト"へ向かった…―――

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