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メタルハート
酒場シリウス
こぽこぽと紅茶のいい匂いが漂う中、考えてもまとまらない問題に苦しめられる。
苛立ちが、りゅあの頭を縛る。

「ま、一息ついてさ」

永遠がカップに注がれた紅茶を差し出した。
ハーブのいい香り。

「あんま考え込む奴じゃないだろ、りゅあは」

「…え?」

伏し目がちな顔を上げると、にっこり笑った永遠の顔が、そこにはあった。

「んで、考えるより行動、だろ?」

全てお見通しだよ…
そう言われている気がして、顔が熱くなる。

永遠はいつもそう。
商売柄なのか、他人の考えている事が解っているように、的確にアドバイスをくれる。

…そっか。
無理に悩まずに、待つ事も必要かも!
老人が言ってた、その繋がりを。
ありが…

「シュンとしてるりゅあはさぁ〜映画に映えないじゃん☆」

…?

マジな話の最中で必ずオチを付けるのも永遠の特技であって…

「永遠のバカっ!!」

キラキラ光線を出しつつ夢?を語る永遠に、ムキになって叫んだ。

「まあ…兎に角、あの老人の言う'繋がり'を待つ他ないわね。
あといい人ぉ」

ハーブティーを飲み一人にやけながら、葉月は言った。

「そうだよね。
永遠に付き合いきれないしーぃ!!
永遠よりもっともっといい人ぉ待つしぃ」

べっと舌を出して永遠に見せつけると、永遠はまたもにっこり笑った。

「そんな悲しい事言うなよ。
僕は僕で情報集めたんだけどな〜
聞かなくていいのかな〜?」

猫のような甘え声を出す永遠に、二人は目の色を変えて振り向いた。

「なになに!?」

永遠はふぅっと溜め息を吐いた後、空になりかけていた紅茶を二人のカップに注ぎながら、ゆっくり話し出した。

「とある街に住むご主人がウチの常連でね…
彼の家はまぁ金持ちでメイドを何人か雇ってるんだ、人間も亜人もね」

永遠も自分のカップに紅茶を注いで一口すすった。
それすらも真剣に見つめるりゅあ。
手の平を返したように態度がコロコロ変わるりゅあに含み笑いを落とすと、葉月が急かす。

「もう。
勿体ぶらないで」

りゅあをもっと、からかいたかったのに…
仕方無い、今度いっぱいイジメてやる…

りゅあをイジメて密かに楽しむのは、永遠にとっては毎度の事。

「はいはい
それでね…」

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