メタルハート
アルランダ
夜の街アルランダ――
ネオン煌めくこの街は、カジノやバー等の娯楽施設が数多く点在する。
夜になればその人工光で夜景を演出し綺麗なのだが、反面、闇組織も多い。
そこに住む人々は大富豪か貧民か、又はその裏社会の者だ。
｢…繁栄の裏には闇、か…｣
ボソッと呟きながら、黒いコートの男は歩いていた。
…そう、カタ平原でりゅあ達を見ていたあの男…
大通りから路地に入れば、風俗店が多く、店先で嫌という程腕を掴まれる。
男は掴まれた腕を強引に振りほどきながら、更に奥へと進む。
暗い路地からさらに横丁へ進み、とある古びたバーの扉へ近づいた。
ＢＡＲアンタレス
扉には看板が下がってはいるものの、かなり古い物で読みづらい。
ここまで来ると流石に人気もないのだが、誰もいないか確認した後、やっとその扉を開いた。
カラン…――
中は薄暗く、人の気配は無い。
が、男は構わず従業員用の通路から地下へと続く階段を下りた。
突き当たりにはシャッター式の扉。
男は無言でそれを開いた。
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